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Channel:     滋賀彦根新聞
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ひこにゃん使用制限の緩和で市と作者が覚書、3種以外のイラスト使用へ

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 彦根市は28日、ひこにゃんの作者でデザイナーのもへろんこと櫻井瑛氏と所属会社の桜井デザイン(大阪市)と、ひこにゃんの3種類以外の新たなイラストを使用できることなどを盛り込んだ著作権に関する覚書を25日付けで締結したと発表。
 両者はひこにゃんの著作権などを巡って裁判で争ったが、平成24年11月に和解が成立し、市がすべての著作権を有すること、作者らが著作者人格権を有することで合意。ひこにゃんのイラストに関して、①絵本やアニメ、映画などへの使用②広報活動のためのストーリー性のある著作物の作成③新たなイラストの作成④3点のイラストの部分使用を制限していた。
 市はひこにゃんの活用の場を拡大させていこうと、①~④の制限を外すことについて作者らと合意。今後、市がひこにゃんのイラストを使った著作物を作成する際などには、作者に依頼して作ってもらう。市はまず、来年開催する彦根城築城410年祭に合わせて、ストーリー性のある本やアニメなどのコンテンツを作る予定。また今後、3種類以外のイラストが出てきた場合、市は第三者にその使用を認めるためのガイドラインなども設ける方針だ。

滋賀県立大学の湖沼環境実験施設で水草からクロレラを培養

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 彦根市八坂町の滋賀県立大学は27日、大学近くの湖沼環境実験施設で実験中の水草からサプリメントとして利用される微細藻類(クロレラ)を培養するまでの研究過程を公開した。
 水草は50年ほど前まで肥料として活用されてきたが、化学肥料の台頭で使われなくなり、水草の繁茂による環境の悪化が琵琶湖を含む日本各地の水域で報告されている。
 その水草を有効活用するため、環境省の助成を受ける形で平成26年から、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)が生態系を保つための水草の収穫量の推定、国立環境研究所(茨城県つくば市)が水草の刈り取りが湖沼環境に与える影響、創価大学工学部が水草の効率的な処理技術、滋賀県立大学がクロレラの培養技術を主に研究してきた。
 今年度はこの研究の最終年にあたるため、県立大では環境科学部の伴修平教授が5月から湖沼環境実験施設で実験を開始。1日に1・5㌔の水草を処理できる発酵槽で水草を発酵させてバイオガスを生産し、ここで排出される廃液と二酸化炭素をパネル型の容器3基に送ってクロレラを培養している。
 今後は企業の協力を得ながら、研究施設を拡大し、クロレラの生産量を増やしていく予定。伴教授は「有機物処理技術と微細藻類を用いた廃液処理は、厄介者になっている水草や生ゴミなどをエネルギーと有用物に換えることができる。近未来的には水草や生ゴミも資源として見なされるようになれば良いと考えています」と話している。

秘書政策課シティプロモーション推進室の職員13人がそろいのポロシャツ、8月1日から市のPR活動盛り上げるため自費で

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 彦根市企画振興部の秘書政策課シティプロモーション推進室は8月1日から、市のPR活動を盛り上げるため、職員13人がそろいのポロシャツを着る。
 クールビズの推奨期間に合わせて着ることで、職員の士気を高めるのが狙い。シャツは琵琶湖をイメージした水色で、表に彦根城天守、裏にひこにゃんをあしらっており、広報担当4人の左そでには「広報」と記されている。すべて個人購入で、1着2300円~2800円。紺色のシャツもあり、複数枚購入した職員もいる。着用は10月31日まで。
 同課の吉嵜愛さん(25)は「外に出かけて仕事をする際はこのシャツを着て、市内外に彦根市をPRしたい」と話していた。早速、1日には近江高校野球部の壮行会や花火大会で着る予定。

原多喜彌さんが安政2年(1855)作の屏風「四季花鳥図」を彦根城博物館に寄贈

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 彦根市原町の原多喜彌さんが、安政2年(1855)作の屏風「四季花鳥図」を彦根城博物館に寄贈した。
 季節ごとの花や鳥を描いた絵を貼り付けた6曲1双の屏風で、右側に春夏、左側に花鳥が描かれている。幕末に彦根藩の御用絵師だった佐竹永海(1803~74)の法橋(僧位)時代の作とされる。
 同博物館は寄贈品を10月25日から11月30日まで展示する予定。

来年4月に開園する「平田認定こども園」(仮称)の起工式

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 彦根市立平田幼稚園の敷地に来年4月に開園する「平田認定こども園」(仮称)の起工式が7月30日、園庭で行われた。
 認定こども園は保育所と幼稚園の両方の機能を兼ね備えた施設で、待機児童の解消を目的に全国的に広まっている。彦根市内では私立の聖ヨゼフ幼稚園(立花町)が今年4月に開園しているが、公立では初めて。
 平田幼稚園が昭和49年に建てられたため、市は改築を兼ねて、園庭部分に木造2階建て延べ約1839平方㍍で認定こども園を建設。定員は0歳児~5歳児の計200人で、現在の135人から大幅に増加する。4月に開園した後は既存の建物の解体、園庭と駐車場の整備を行い、8月に完了する予定。総費用は7億0519万円で、建築、電気設備、機械設備、工事監理業務とも市内の企業(支店含む)が担当する。
 起工式には大久保市長や施工業者ら75人が出席した。

切り絵作家・吉田文彦さん初の個展 彦根市男女共同参画センター・ウィズで

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 彦根出身の切り絵作家・吉田文彦さん(43)=愛荘町=の初の個展が、1日から彦根市男女共同参画センター・ウィズで始まった。
 吉田さんは幼少期を銀座町の玩具店(イセヨシ)で過ごした。子どものころから絵を描くのが得意だったが、4年ほど前から本格的な切り絵の創作活動に入った。旭森地区公民館での切り絵教室で学び始めた平成26年の彦根市展では美術工芸部門で市展賞を受賞。切り絵と塗り絵を組み合わせた「切塗絵(きるりえ)」という独自の手法で仕上げており、昨年の湖国を描く絵画展でも入選した。現在は名前の「ふみひこ」を大字に変えた「弐参壱伍」のペンネームで活動している。
 吉田さんはまず、タイトルを決めてペンで原画を作成し、切り絵作業をした後に水彩絵の具で手を加えて完成させる。タイトルを決めた後に動物を登場させた童謡を自作し、その内容に基づいてさまざまな動物を描いているのが特徴。B4判からA2判までの大きさで、完成までに1~3カ月かかるという。
 吉田さんは「作品の中には色々な物が隠されている。そのあたりを注目しながら見てほしい」と話している。
 開館は31日までの午前9時~午後9時(月曜・水曜は同6時)。休館は火曜と日祝日。吉田さんは木金土の午後には会場に滞在する。入場無料。

袋町の飲食店でチケットを渡すとサービスが受けられる「ひこねナイトバル」

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 彦根市の袋町(河原2)などの飲食店でチケットを渡すとサービスが受けられる「ひこねナイトバル」が1日から始まった。
 バルはスペインやイタリアなど南ヨーロッパで酒場や居酒屋、軽食喫茶店のことを指す。滋賀県社交飲食業生活衛生同業組合では組合に加盟するさまざまな飲食店を巡ってもらおうと、1000円券12枚つづりのチケットを1万円で販売。袋町内などのスナックやバー、クラブ、居酒屋、料亭など42店舗でサービスが受けられる。
 チケットの枚数は1枚から8枚まで店舗ごとに異なる。27日までだが、チケットが余れば、「あとバル」として28日から9月10日まで1枚1000円の金券として使用できる。店舗でスタンプを3個以上集めると抽選で賞品が当たるサービスも。チケット販売は6日のひこね万灯流しと8日の彦根ばやし総おどり大会の各会場、各店で。

全国高校野球選手権大会に出場する近江高校野球部の応援団が合同練習

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 7日に開幕する全国高校野球選手権大会に出場する近江高校野球部の応援団は4日、体育館で合同練習を行った(2、3面で特集)
 翌日の全校生徒ら約500人が参加しての応援練習に合わせて、野球部員72人、吹奏楽部20人、チアリーダーのダンス部15人が参加。応援ソングのアルプス一万尺(通称・近江マーチ)、アフリカンシンフォニー、パラダイス銀河、カチューシャなどを、吹奏楽部の演奏に合わせてかけ声やダンスの練習をしていた。
 応援団長で野球部3年生の津坂竜矢選手(17)=大阪府堺市=は「滋賀大会ではグラウンドの選手と応援席が一つになって、それが優勝につながった。甲子園ではもっと良い応援ができるよう練習したい」と話していた。
 組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で開かれ、滋賀代表の近江高校は大会3日目(9日)の第4試合で、茨城県代表の常総学院高校と戦う。常総学院高は2本柱の投手を中心にした堅実なチームだ。

近江高校野球部のベンチ入りメンバー、彦犬地区の大藪町の伊東優作選手と多賀町大滝の深田樹暉投手にインタビュー

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 近江高校野球部のベンチ入りメンバーには彦犬地区から彦根市大藪町の伊東優作選手(17)=中央中出身=と、多賀町大滝の深田樹暉投手(18)が入っている。2人は小学生時代に香川県高松市の児童たちの親善試合でバッテリーを組んでおり、本紙は当時の思い出を含めてインタビューを行った。
「選抜の成績超え優勝狙う」
甲子園の目標は?対戦したい選手は?
 伊東選手は金城小の時はキャッチャーで、中央中時代には東近江リトルシニアに所属し外野手だった。50㍍5秒8の俊足で、昨年春のセンバツにも出場した。
 昨春以来の甲子園出場について、伊東選手は「前回は不安な気持ちがあったけれど、今回はとにかく楽しんでプレーしたい」と笑顔で話していた。
 滋賀大会では3つの盗塁を成功させたが、「甲子園でも塁に出れば、盗塁を狙いたい」と語り、対戦したい選手に千葉県の木更津総合高校の左腕・早川隆久投手をあげ「速い球を投げるので、ヒットで塁に出て、盗塁も決めたい」と述べていた。
 目標については「センバツではベスト16だったが、それを超えられるよう一つでも多く勝利し、優勝したい」「彦根市民の皆さまには僕たちの全力プレーの姿を見て欲しい」と抱負を語っていた。
 深田投手は多賀中学校時代にはHIKONEJBoy,s(現・滋賀ユナイテッドJBoy,s)に所属。近江高ではエースの京山将弥投手と並ぶ2枚看板の一角だ。最速140㌔の速球に、ツーシーム、フォーク、スライダー、カーブ、カットボールと変化球を織り交ぜて打たせてとるスタイル。
 甲子園での目標については「得意のツーシームとフォークで打たせるピッチングをして完封したい」と話し、対戦したいバッターには智弁学園の大橋駿平選手をあげ「追い込んだらフォークで三振にとりたい」と意気込んでいた。
深田「外野に飛んだら安心」
伊東「コントロール抜群の投手」
 2人は小学生時代、姉妹城都市の彦根と高松が野球を通じて交流する親善少年野球交歓大会に出場。伊東選手がキャッチャーで、深田投手の球を受けていた。
 当時の印象について、伊東選手は「あのころからコントロールが良いピッチャーで、僕の構えた所に球が来ていた。今はそのコントロールに更に磨きがかかった感じだ」と褒めていた。
 一方で深田投手は「伊東選手は当時からバッティングのセンスが抜群だった」と称えた上で「僕は打たせてとるピッチングだから、外野に球が飛んだ時はどんな打球でも捕ってくれるし、安心している」と述べ、2人は「ちょっと照れくさいな」と笑顔を見せていた。

犬方町の国道8号線沿いの田園地帯にヒマワリ

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 彦根市犬方町の国道8号線沿いの田園地帯にヒマワリが咲いており、道行く人たちの注目を集めている。
 地元住民らによる犬方環境美化協議会が約1万平方㍍の休耕田に植えた約5万本のヒマワリが咲いている。ゴッホの絵にも描かれたというビンセントと呼ばれる種類と、小柄なハイブリッドサンフラワーが半数ずつある。
 同協議会ではイエロープロジェクトと題して、春に菜の花、夏にヒマワリを植えている。

多賀町敏満寺の国道307号線沿いに置かれているSLの再興願うイベント11日に

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 多賀町敏満寺の国道307号線沿いに置かれているSL=写真=の再興を願うイベントが11日に現地などで行われる。
 このSLは昭和19年8月に川﨑車輌(現・川﨑重工業)で作られたD51型式「1149」で、デゴイチの愛称があるD51型の蒸気機関車としては日本に現存する最も新しい車両。国鉄常磐線で活躍した後、北海道に移って道内の各線を昭和50年末まで走り続けた。
 引退した同51年の9月に、多賀町内に関西で初めて整備された多賀SLパークに移され、客車3両やレストランなどが整備されて賑わいの場所だったが、SL人気の低迷などで開業から約1年半後に閉鎖。以降、SLのみが放置され、部材が盗まれたり、表面の劣化が進んだりしていた。
 多賀町出身の中川信子さんが発起人となり「多賀SLアクション2016Summer」実行委員会を結成。SLを再興させる方法などを探ろうとイベントを企画した。
 当日は、午前9時40分に多賀大社前駅に集合して旧SLパークに向かうウォーキング、現地で午前11時~SLが走っていた時を知る狭川真一さんのトークとパネル・写真展示(午前10時~午後4時)がある。見学自由。問い合わせは中川さん☎090(8791)4470。

彦根仏壇などの技術を生かした甲冑の試作品を発表、学芸員「すごい出来」

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 彦根の特産品作りを進めている彦根商工会議所内の「ひこねブランド開発委員会」が4日、彦根仏壇などの技術を生かした甲冑(かっちゅう)の試作品を発表した。
 同委員会は、地域資源を生かして都市間競争を勝ち抜くまちづくりを目指し、同会議所会員や大学教員、歴史研究家ら31人で一昨年9月に設立。日本商工会議所の補助を受けて、夜間イベント・祭りなど「集客」、地場産業を生かした「商品」開発、地域を学ぶ「生活」の3部会に分かれてブランド作りを展開している。
 そのうち「商品」ブランドでは、江戸時代に甲冑作りが行われていた現在の彦根仏壇街の職人の技を生かした本格的な甲冑の再現を平成27年度と同28年度の2年計画で進めている。「井伊の赤備え」の中で最も美しいとされる二代・井伊直孝公が着用していた甲冑を再現する予定で、かぶとや胴、こて、すね当てなどの基礎となる部分を滋賀県板金工業組合のおうみの名工らに依頼。かぶとを除く部分が銅で作られ、昨年10月の七曲がりフェスタで展示された。
 彦根仏壇の技術は七職のうち、塗師、箔押師、錺(かざり)金具師、木地師の四職を採用。基礎部分が完成した11月以降、各職人が製作にかかり、さきごろ試作品を完成させた。試作品は188個の金属パーツが使われ、重さ23㌔㌘、銅高部分が41・1㌢で、かぶとの天衝き部分を含めると2㍍を超える。1体の経費は約586万円。
 今後は試作品の改良、製造・販売体系の設定、イベント・展示会への出展などを経て、商品化を目指す。
 甲冑プロジェクト部会長で彦根商議所の中川哲副会頭は「いかにして本物に近い魅力ある甲冑が作れるか、販路をいかに拡大させていくかなどを検討し、彦根のブランドの一つになるよう努めたい」と話している。
 試作品を見た彦根城博物館学芸員の古幡昇子さんは「直孝公の甲冑に近い出来上がりですごい。販売までには脇立ての角度など、本来とは形状が違う細かい点を見直すことが重要」とコメントしている。

来年4月に予定されている彦根市長選、数人が出馬に向けた動き

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 来年4月に予定されている彦根市長選に向けて、これまでに数人が出馬に向けた動きを見せ始めている。
 現職の大久保貴市長は1期目の4年目を迎えている。先の6月議会では、学校給食センターの整備、市立病院への産科医確保、JR稲枝駅改築など、前市政から継続されてきた事業をあげて「実現させた」とアピールした上で、「残された課題があり、まだまだ道半だ」と再選への出馬に含みを持たせている。
 前教育長の前川恒廣氏(60)は昨年10月の退任会見で市長選への出馬をにおわし、今月2日の本紙の取材にも「前向きに調整している」と述べ、具体的な政策をまとめてから正式発表する考えを示した。すでに自民党系の元県議らの支持を受けている。
 保守系からは60歳代の市内の男性も意欲を示しており、本紙に「体制が整ったら、表明したい」と答えている。
 これまでに平成17年と同21年の市長選に出馬している和田裕行氏(45)は保守系の一本化の必要性を唱えながら「動くにしても来年の年明けからになる」と話している。
 民進党系の陣営では中沢啓子県議(57)を推す声もあるが、大久保市長の支持層と重なるため、流動的だ。
 大久保市長が再選を狙って出馬を表明した場合、保守系との対決になるとみられるため、自民などの陣営では「候補の一本化」に向けた動きもあるが、調整がうまくいっていない状況。今後は保守分裂か一本化かが焦点になる。
 なお大久保市長の任期は来年5月9日まで。

彦根で8歳から13年間過ごした詩人・高祖保について外村彰教授が講演

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 彦根で8歳から13年間過ごした詩人・高祖保(1910~45)について研究している国立呉工業高等専門学校の外村彰教授が7日、彦根市立図書館で講演=写真。「高祖保の精神性を育てたのが彦根だった」と解説した上で、顕彰するための詩碑の建設を求めた。
 外村教授は保が詩などで彦根について「精神故郷」「青春の墳墓の地」と表現していたことを明かし「若い10代を彦根で過ごし、自身の思想信条を培った地だった」と述べた。
 保は県立彦根中学校(彦根東高)時代、同級生らと回覧雑誌を発行したり、短歌・俳句誌に作品を投稿したりするなど文学の才能を発揮。保の詩について、外村教授は「神秘性を探ろうとする作品が多い」とした上で、初期のころは幼少期から不幸が続いたため孤独という意味の「孤愁」的な作品が多かったが、晩年は幸福の意味の「浄福」に変化していったと紹介した。
 保は17歳の時に、締め付けが厳しかった当時の校長の辞職を求めるストライキに参加。彦根城にろう城し、校長糾弾の集会を開くなどした。この影響で卒業後の進路が閉ざされたが、自らが編集発行人となって雑誌を発刊するなどして文学界で活躍した。その後、昭和19年にビルマ(ミャンマー)で亡くなった。
 外村教授は昭和35年に彦根市内で保の詩碑が建立される計画があったとした上で「保は大変才能があり、選ばれた人だった。人生は思いがけないことばかりが起こり、自身ではどうしようもない宿命がある。保は自身の宿命と向き合って、すばらしい詩を残した」と話し、保を顕彰するため彦根市内への詩碑の建立を求めた。
 外村教授の講演会は市立図書館創立100周年記念で開かれ、県内外から45人が参加した。
 ※【高祖保(こうそ・たもつ)】明治43年(1910)5月4日、岡山県邑久郡牛窓町(瀬戸内市)生まれ。8歳の時に父親・金次郎が死去し、母親・富士の実家の彦根町外馬場町(京町2)に移住。彦根尋常高等小学校(城東小)、県立彦根中学校を経て、昭和5年(1930)12月に金沢の第九連隊第一中隊に幹部候補生として入隊。同7年に國學院大学附属高等師範部に入学し、同11年に卒業。同19年1月8日にビルマで34歳の若さで戦病死した。 

リオデジャネイロオリンピックの陸上競技に出場する桐生祥秀選手を応援するパブリックビューイング

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 リオデジャネイロオリンピックの陸上競技に出場する彦根出身の桐生祥秀選手を巨大画面で応援するパブリックビューイングが、13日から文化プラザのメッセホールで行われる。種目と開始日時は100㍍予選が13日午後9時半~、準決勝と決勝が15日午前8時10分~、4×100リレー決勝が20日午前8時15分~。いずれも桐生選手が出場の場合のみ実施される。
 13日はパブリックビューイングの合間に、桐生選手の母校の城陽小学校や南中学校時代の担任や顧問、校長、同級生らが登場し、「軌跡」を振り返るトークイベントもある。15日と20日はパブリックビューイングのみ。先着270人。入場無料。

滋賀県護国神社に戦没者の生前の写真を展示する施設・滋賀県英霊顕彰館が完成、みたま祭で仮オープン

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 彦根市尾末町の滋賀県護国神社は、同神社にまつっている戦没者の生前の写真を展示する施設「滋賀県英霊顕彰館」を拝殿北側に建設。13日から15日まで営むみたま祭期間中に仮オープンする。
 同神社は戊辰戦争から大東亜戦争までに国のために戦って亡くなった滋賀県出身の戦没者3万3217柱をまつっているが、滋賀県遺族会の会員の一部からは亡くなった先祖の写真を展示する施設の建設を希望する声があった。
 新設された顕彰館は木造平屋建ての約154平方㍍。館内には県遺族会の中で展示希望のあった戦没者約2900人の生前の写真を県内市町ごとに展示。はがきサイズのパネルには写真のほか、出身地、戦没地、戦没年月日が記載されている。建物の建設費は約6300万円。
 入口の窓には彦根市遺族会の山本起美郎会長=西今町=が、日本の象徴として富士山、桜、松、鶴を描いたステンドグラスも掲示されている。
 同神社の山本大司禰宜(40)は「戦没者の御英霊を遺族以外の方にも目に見える形で身近に感じてもらおうと、生前の写真を展示することにした」と話していた。仮オープンに合わせて、約2900人の一部の写真を展示。本オープンは秋季例大祭を営む10月5日。

福祉や医療、法律問題などの相談員が一堂に集う「つながろう・つなげよう相談機関交流会」

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 福祉や医療、法律問題などさまざまな分野の相談員が一堂に集って話し合う「つながろう・つなげよう相談機関交流会」が9日、彦根市福祉センターで開かれた。
 高齢化や経済格差、核家族化など社会情勢の変化で、各分野の専門家たちが相談に応じる内容が複雑化しているため、対応策や連携の仕方を探ろうと彦根市社協が平成26年度から交流会を実施。
 今年は龍谷大学社会学部の山田容准教授を講師に迎えて、市内外の24団体から48人が参加。参加者は7グループに分かれて、借金や就労、障害などの問題を抱えた家庭を事例に、その家庭に対する疑問やニーズの意見を出し合って、対応策を導き出していた=写真。話し合いの合間に、山田准教授は「なぜそういう状況になったのかの原因を特定するのではなく、改善のための情報を整理するのが大切」「支援する相手が大事にしたいこと、傷つけられたくないことを把握する必要がある」などとアドバイスしていた。

バイオリニスト・高岸卓人さん来月5日からオランダのハーグ王立音楽院に留学

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 彦根市須越町出身のバイオリニスト・高岸卓人さん(25)が、来月5日からオランダのハーグ王立音楽院に留学する。出国を前に彦根市男女共同参画センター・ウィズで8日に行われたライブ後、高木さんにバイオリンの魅力や夢を聞いた。
 高岸さんは幼少のころ、ピアノを習っていたが、調律師のすすめで5歳の時にバイオリンに出会った。城陽小から県立河瀬中学・高校に進んだ後は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の戸澤哲夫さんに師事し、東京まで習いに通っていた。東京芸術大学を経て同大学院修士課程修了後、国内外の音楽イベントで活躍している。これまでに大阪国際コンクール エスポアール賞、全日本学生音楽コンクール 全国大会入選、滋賀県次世代文化賞などを受賞している。
 大学3年生以降は、17世紀初めから18世紀中ごろのバロック時代に作られたバイオリンを学び始め、現在は東京芸大別科のバロックヴァイオリン科に所属。
 バロックバイオリンの魅力について、高岸さんは「音楽の歴史は長く、バロック音楽はその当時のスタイルや考え方で演奏する。当時はどのような響きをしていたのか、考えながら演奏できるのもおもしろい」と話した。
 オランダへ留学する理由については「昔の曲はまだまだたくさんあり、それを勉強したいと思った」と語り、将来的にはバロック音楽の最上級に位置する団体「バッハ・コレギウム・ジャパン」への入団を目指したい意向も示した。オランダには約3年間滞在する予定。

彦根梨を使った料理やスイーツを提供する店舗を巡るスタンプラリー「ひこね梨さんぽ」、彦根梨の出荷始まる

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 彦根梨を使った料理やスイーツを提供する店舗を巡るスタンプラリー「ひこね梨さんぽ」が、出荷の時期に合わせて20日から開催される。
 彦根梨には幸水、豊水、筑水、なつしずくの4種類あり、昨年の収穫量は約60万個だったが、そのうち15%が外見の検査などで引っかかり出荷されなかった。市は彦根梨の知名度アップと出荷されない梨の有効活用を目的に、農林水産特産物開発実行委員会(藤田武史委員長)を立ち上げて彦根梨を使った飲食品作りを企画。
 応募のあった彦根や多賀、甲良の28の事業者が提案した握り寿司やピザ、バーガー、シャーベット、カクテルなどが各店舗で販売される。レシピは全てオリジナルで、彦根梨の幸水が使用されており、一部は昨年収穫した梨のペーストを使っている。
 店舗の中には、彦根梨の知識を取得するために野菜ソムリエによる研修会を受講した事業者もおり、受講した11人には「ひこね梨コンシェルジュ」の黄色いバッジを進呈。イベント期間中はバッジを身につけ、彦根梨の糖度や完熟に関する知識を各店舗で解説する。
 藤田委員長は「地元の農産物を使うことはとてもいいこと、喜ばれるものを作りたい。作業に手間がかかるが、工夫している」と話していた。
 スタンプ用紙は参加店やJAの直売所、市役所などで配布。スタンプを3個以上集めると、彦根梨の木のオーナーや加工品の詰め合わせが当たるプレゼントに応募できる。9月4日まで。問い合わせは市農林水産課内の同実行委員会☎(30)6118。
 彦根梨の販売が石寺町の「果樹工房」などで始まった。彦根梨は石寺町の曽根沼干拓地約11㌶で昭和56年から生産が始まり、現在は市内の21戸の農家が栽培し、毎年この時期は早朝に収穫している。工房ではパート職員らが一つずつ手に取って傷の確認をし、選果機で糖度や熟度をAからCまでのランクを付けて選別した後、袋詰めしている。
 品種は幸水と豊水のほか、「お盆の時期に欲しい」との要望を受けて4年前から8月上旬に収穫している筑水(ちくすい)となつしずくがある。収穫数は昨年度と同様60万個を見込む。
 出荷作業は幸水が9月上旬まで、豊水が9月上旬から下旬まで行われる。日照が続いたため小ぶりだが、糖度が高く甘いという。価格は1袋600円と700円。JA直売所のほか、来週からは彦根と近隣市町の平和堂でも販売予定。問い合わせは果樹工房☎(43)4174。

元滋賀県知事の國松善次さんが全国の護国神社を自転車で巡り、朱印状を日本列島の形で貼った屏風を滋賀県護国神社に奉納

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 元滋賀県知事の國松善次さん(78)が全国の護国神社を自転車で巡り、各神社の朱印状を日本列島の形で貼った屏風を彦根市尾末町の滋賀県護国神社に奉納。14日に奉納式が開かれた。
 國松さんは小学1年生の時に父親を戦争で亡くし、戦争遺児としてほかの戦没者の家族と慰霊の活動をしてきた。
 75歳の時の平成24年9月に、慰霊と平和祈願のため、神奈川県を除く全国各地にある護国神社と靖国神社を参拝しようと滋賀県護国神社をスタート。趣味にしている自転車で移動しながら、今年1月の飛騨護国神社を最後に計53カ所訪れた。走行距離は約4800㌔だったという。
 当初はノートにまとめる形だったが、奉納するのに合わせて日本列島の形に朱印状を高さ1㍍70㌢・幅3㍍40㌢の屏風に貼り合わせた。
 國松さんは「全国的に護国神社の存在を知らない日本人が増えており、それでは祀られている英霊は報われない。この屏風を見学して、1人でも多くの人が護国神社を参拝してもらえれば幸いに思う」と話していた。
 奉納式には大久保市長、細江正人県議、西村久子県議らを含め約50人が出席した。
 なお、國松さんが納めた朱印状の屏風は護国神社内に完成した滋賀県英霊顕彰館に展示されている。
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