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茶人・井伊直弼のすべて 茶湯一会集や直弼自作の茶道具も

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 彦根城博物館は18日~特別展「一期一会の世界 大名茶人 井伊直弼のすべて」を開く。
 直弼は幼少期から茶の湯に親しみ、青年期にはその傾倒を深め、特に武家の茶として知られる石州流の始祖・片桐石州(1605~73)の茶の湯を学んだ。直弼が31歳の時の弘化2年(1845)には「入門記」を執筆し、一派を創設。その後も茶会の心得やお点前の作法などの書物を書き、安政4年(1857)にはその集大成として「茶湯一会集」を完成させた。
 直弼は、精神性の重要性を説いた千利休(1522~91)の佗茶も学び、茶湯一会集の序文に記された「一期一会」の言葉は利休が語った言葉を参考にしたとされる。
 特別展では直弼自筆の書物や自作の茶道具、利休と石州ゆかりの書物や茶道具を計96点展示する。主な作品は茶湯一会集、千利休が園城寺(三井寺)の鐘にちなんで製作した竹製の花生け、直弼が注文を付けて塗師・中村宗哲に作らせた12個の薄茶器、直弼が作ったカニやサザエなど7種類の楽焼のふた置き=写真、直弼が入手した日光名産の桶・曲物を水指にアレンジした作品など。
 開館は10月20日までの午前8時半~午後5時。展示品を説明するギャラリートークは26日午前11時~と午後2時~。
 特別展に合わせて、彦根城博物館で19日午後2時~「井伊直弼の茶の湯」をテーマに、10月3日午後2時~「井伊直弼ゆかりの茶道具」をテーマに講演会がある。19日は講師が静岡文化芸術大学学長の熊倉功夫さん、受講料500円。申し込みは同館☎(22)6100。3日は講師が同館学芸員の奥田晶子さん、資料代100円、当日先着60人。

滋賀県護国神社に5作目のステンドグラス奉納 彦根市遺族会会長の山本起美郎さん

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 彦根市尾末町の滋賀県護国神社に、最後の5作目となるステンドグラスが奉納。同神社内の中庭に面した欄間に設置された。
 作ったのは元彦根市職員で彦根市遺族会会長の山本起美郎さん(75)=西今町。山本さんは約15年前から趣味でステンドグラスを作っており、一昨年8月に同神社の山本賢司宮司の依頼を受け、計10カ所分の欄間に四季折々の花鳥風月と山本さんの好きな作品の計5作(2カ所で1作)を奉納することになった。
 デザイナーをしている山本宮司の娘・平山浅子さん(40)=京都市=がデザインを担当し、1枚が横84㌢・縦33㌢・約19㌔で、赤や黒、青、透明など計約30種類の色のステンドグラスを使って製作。1作目の春の作品は桜や梅、ウグイスが彩られて昨年1月27日に、2作目の初夏はツバメや紫陽花、柳で昨年4月2日に、ハトやアサガオなど3作目の盛夏と、モミジなど4作目の秋が今年3月26日に奉納された。
 5作目の冬は白鳥やツバキなどが描かれている。山本さんは「心を癒やしてもらえる空間を目指して作ったので多くの人に見てほしい」と話していた。社務所に声をかけた後の見学可。

佐和山城跡 西の丸の曲輪で地下構造の建物跡見つかる

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 彦根市教委文化財課は発掘調査中の佐和山城跡の西の丸と伝えられる曲輪(くるわ)跡で、地下構造の瓦ぶきの建物跡が見つかったと発表した。4日に現地説明会を行う。
 国の史跡指定を目指し平成23年度から佐和山城跡を調査しており、昨年夏から秋にかけて、本丸跡から約180㍍下った西の丸の3段の曲輪のうち一番下の約750平方㍍(約30㍍×約25㍍)で発掘調査を実施。山の斜面を削った切り土を使って盛り土にして平らにしながら曲輪を形成しており、その北西部には長軸約5・7㍍×短軸約3・8㍍、深さ約1・9㍍の地下式の土坑が確認された。礎石跡が四隅に残っているため、何らかの建物が建っていたとみられ、江戸中期の沢山古城之絵図には「塩櫓」と書かれているため、塩が貯蔵されていた可能性もある。
 曲輪の周辺からは豊臣政権時代特有の瓦の破片があるため、当時、佐和山城主を務めていた堀尾吉晴か石田三成時代の瓦ぶきの建物だったと考えられる。文化財課の林昭男主査は「豊臣時代で地下式の建物は全国でも確認されていない」と話している。滋賀県立大学の中井均教授は「豊臣政権時代の瓦ぶきの建物が確認されたことで、当時の佐和山城域が広かったと考えられ、佐和山城の威光の高さを示すのではないか」とコメントしている。
 現地説明会の受付場所は午前9時半~同11時に鳥居本駅。そこから随時、徒歩で約30分かけて現地に向かう。当日受付。参加費100円。雨天決行。問い合わせは文化財課☎(26)5833。

市役所本庁舎耐震化 市長提案省いた修正案再び可決、市議会は特別委員会設置へ

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 今議会の焦点になっていた彦根市役所本庁舎の耐震化に対して、大久保市長提案の関連予算を省いた修正案が複数の議員から29日再開の本議会に提出され、賛成多数で可決された。6月議会に続き、市長提案の関連議案が事実上否決されるという異例の事態になった。
 市長は6月議会で彦根駅東口への仮設庁舎の建設費などを計上したが、市議会は昨年末に可決した5項目の付帯決議が守られていないなどとして、関連議案を省いた修正案を賛成12、反対11の一人差で可決。市長は今議会に、本庁舎前面に1階建てと後面に5階建ての増築を行い、市民会館と中央町の仮庁舎にある部局を集約させるなどの案を提案した。
 しかし前市長の獅山向洋議員の情報公開請求で、6月議会後に各部局を対象に行われたヒアリング調査の結果が市長提案の計画案にほとんど反映されていなかったことが判明。ほかにも今議会では、市職員一人あたりのスペースが狭くなることや県との折衝不足、外からブレースが見えることなども明らかになった。
 修正案の提案者の一人、谷口典隆議員は提案理由の説明の中で議会内に「本庁舎耐震化整備特別委員会」を設置することを表明し「スピード感を持って年内にも一定の結論を出す」と述べた。修正案の可決後には同委員会設置に関する動議を発し、賛成多数で認められた。6月議会で賛否が分かれた保守系会派・公政会が28日に行った会合でも、同委員会の設置の説明があり、当初は修正案に反対姿勢だった議員も賛成に転じ、結局、29日の採決では議長を除く同会派の所属議員9人のうち7人が修正案の賛成に回った。
 この結果、議長を除く23人の議員のうち、修正案に賛成した議員が15人、反対が8人だった。
 修正案の可決を受けて市長は「役所内での議論の本質・プロセスについて議会への情報提供が十分でなく、理解を得られなかったのは残念。議会と相談しながら事業内容を決定し、本庁舎耐震化に向けて取り組んでいきたい」とのコメントを発表した。

井伊直弼公生誕200年祭の特別展 佐和口多聞櫓で

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 井伊直弼公生誕200年祭の特別展「一期一会」が18日から佐和口多聞櫓で開かれている。
 直弼の功績や人柄、文化人としての魅力を発信するため4コーナーに分けて展示。映像・文芸コーナーでは、昨年公開の映画「柘榴坂の仇討」のPR映像のほか、童門冬二さんの「吉田松陰」、幸田真音さんの「藍色のベンチャー」、舟橋聖一の「花の生涯」など各著書で登場する直弼を紹介。松陰らを処刑する「悪人」として描いたシーンも登場。
 日本文化体験コーナーでは直弼が鍛錬していた茶道、華道、能(チャカポン)にスポットを当てた。茶道具や彦根華道協会に所属する8派が1週間ごとに生ける作品を展示するほか、能では能面のレプリカから視界を体験できるようにもしている。書道のコーナーも設置しており、10分ほどで消える水を使っての習字が体験できる。
 映画「柘榴坂の仇討」の特別展では映画で実際に使われた衣装やかご・人力車・槍など小道具を展示、シアター「ほんとうの直弼」では直弼に関する映画やテレビ映像を計5分間上映する。各所で英語と中国語を併記しているほか、外国人が書道を体験できるよう見本を用意しており、海外からの観光客にも楽しんでもらえる内容にした。開館は12月23日までの午前8時半~午後5時。

大久保市長の資質と力量を疑う

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 小生は、政治家にとって最も基本的な資質は「先を読む能力だ」と確信している。そういう見方からした場合、市役所の耐震化を巡り、6月議会と9月議会に連続して提案した関連議案が事実上否決された大久保市長は、その資質が欠けていると言わざるを得ない。
 振り返れば、約2年前の9月に当選間もない大久保市長は、その月の議会で耐震関連の議案の提案を見送り、「ゼロベース」を表明した。市長としてのリーダーシップまたは独自路線を見せようと格好をつけたかったのだろう。しかしそれ以降、この問題に追いかけ回され、2年が経過した今議会でも結論を出せなかったのだから、2年前のパフォーマンスは空回りに終わったと言ってよい。
 2年前、大久保市長が「ゼロベース」を議会で表明した際、小生と一緒に傍聴していた複数の市職員は皆、天を仰ぎ、「えっ〜」と言いながら首を傾げていた。平成20年3月に市既存建物耐震改修促進計画を策定し、本庁舎耐震化に向けて練ってきたものを白紙化されたのだから、当時の市職員の思いは理解できる。
 今議会でも数人の議員が指摘していたが、大久保市長の答弁には「今後、検討する」という言葉が目立っていた。つまり、とりあえず大まかなプランを立てて、細部は議決後に詰めていく、という思惑だろうが、30億円近い事業費をかけ、駅からの観光客が必ず前を通る市の顔(市役所)の整備が大まかでは困る。案の定、6月議会と9月議会でもさまざま問題点が明らかにされ、それらが致命傷となり、市長提案の関連議案は両議会とも事実上否決された。
 ここまでこじれると責任論が叫ばれるが、ゼロベースを表明した2年前をはじめ、6月議会、9月議会と「先読み」を見誤ったわけだから、市政を停滞させた大久保市長の責任は極めて重大である。
 彦根城の世界遺産、9年後の国体に向けた運動施設の整備、図書館やごみ処分場の新設、渋滞緩和、観光振興など彦根の課題は山積みである。しかし、市役所耐震化という市民にとっては直接的に関係のない事案に2年以上も費やしているようでは市長としての力量を疑わざるを得ない。
先を読む資質・力量やリーダーシップが無いのならば、それをまずは素直に認め、市職員や市議、そして市民の助けを得ながら、山積みの市政課題にあたるべきである。【山田貴之】

彦根市弓道連盟、国体での弓道競技彦根開催と弓道場整備を求める要望書

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 平成36年の滋賀国体に向けて、彦根市弓道連盟が25日、市役所を訪れ、弓道競技の彦根での開催と弓道場の整備を求める要望書を大久保市長に提出した=写真
 市内には尾末町に彦根市弓道場があり、滋賀県立大学や彦根翔陽高校、近江高校も利用しているが、国体で競技が行えるレベルの施設ではない。県内ではすでにほかの市町が弓道競技の誘致に向けて声をあげているが、彦根市弓道連盟によると、県弓道連盟では弓道人口や交通の利便性などから彦根開催を第一候補にしているという。
 要望には市弓道連盟の中村傳一郎会長ら役員と県立大学、翔陽高、近江高の顧問ら計7人が来訪。中村会長は「彦根で弓道競技を開催することを決断頂くと共に、近的場、遠的場の整備も実現頂きたい」と求めた。これに対し大久保市長は「まずは県の連盟で一本化して頂いた方が良い。現時点で彦根が手をあげるのは難しい」と答えた。

外国人観光客増へ彦根商工会議所らが近江インバウンド推進協議会設立

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 海外からの観光客誘致を目指す近江インバウンド推進協議会の設立総会が9月30日に彦根商工会議所で開かれ、湖東地域の企業・団体の代表者ら約100人が参加した。
 政府は2020年に訪日外国人旅行者が2000万人に達する観光立国の実現に向けて、観光局(JNTO)や日本貿易振興機構(JETRO)との連携を強化し、官民あげてのオールジャパン体制による訪日促進を打ち出している。
 湖東地域は歴史的遺産など数多くの資源があるが、観光振興にはつながっていない。彦根商議所の小出英樹会頭は湖東地域への外国人観光客を増やすため、近江八幡商議所の秋村田津夫会頭や近隣町の商工会長らに協力を呼びかけ、2市4町の関連企業など82団体で同協議会を設立することにした。
 設立総会では、滋賀2区選出で国土交通大臣政務官の上野賢一郎衆院議員や近江八幡の冨士谷英正市長があいさつし、近江の「近」からデザインしたロゴマークも発表された。会長に就任した小出会頭は「私たちは素人集団だが、JNTOの協力を得ながら事業を進めるほか、高度なアドバイザーを招いて市民を含めた勉強会を開いていきたい。世界セールスも積極的にしていきたい」と述べた。
 同協議会では「企画」「広報」「総務」の各委員会に分かれ、▽海外で開催される旅行見本市への参加▽海外の旅行会社やメディア関係者の招へい▽国内先進地の視察などを実施。外国人観光客を呼び込んで、湖東地域の経済発展を目指す考え。

前教育長の前川恒廣氏が政界への出馬に意欲、彦根市長選か

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 前教育長の前川恒廣氏(60)は1日に行った退任会見で、政治の世界への転身をにおわせた。
 会見で前川氏はESD(持続可能なための教育)やユネスコスクールの実現などの実績をあげながら「情緒教育や、彦根の歴史・伝統を学ぶ『彦根学』をしっかりと見直したかった。またコミュニティ・スクールの創出もしたかった」と説明。その上で「不本意であるが、いったん退任する。教育を通して学んだこと、見てきたことをまとめあげて、別の形で彦根に還元する方法を考えたい」と述べ、彦根市長選などへの出馬の可能性を示した。
 本紙記者からの「市長選を含めた政治の世界に出るのか」の質問に前川氏は「感覚的に捉えて頂きたい」と述べるにとどめた。前川氏は池州町出身で、城西小、西中、彦根東高、東大卒業後、三菱銀行に入社。昭和61年7月に退社し、フランスのビジネススクール入学。MBAを取得し、クレディアグリコル銀行や日本航空(JAL)での勤務を経て平成23年10月から市教育長を務めてきた。
 なお、任期満了に伴う次の市長選は2年後の平成29年4月の予定。

彦根市の新教育長に善住喜太郎氏が就任

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 彦根市の新しい教育長に2日、善住喜太郎氏(62)=安土町=が就任。この日の午前には市民会館で教育長訓示があり、夕方には新旧教育長による引き継ぎ式があった=写真
 善住氏は彦根市立東中や南中、守山高、八幡工業高で教員を務めた後、県教委などを経て、平成24年4月から彦根東高の校長を歴任。昨年4月からは県教委学校教育課主幹を務めていた。任期は10月2日~平成30年10月1日。

七曲がりフェスタ10日〜 馬ぐるま・彦根張り子展示 ライトアップなど

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 彦根市の仏壇街で10日から12日まで七曲がりフェスタが開かれ、10日夕方から通りがライトアップされるほか、彦根張り子や馬ぐるまなど彦根の伝統品の展示もある。
 彦根仏壇事業協同組合が主催し、3回目の今年は初めて3日間かけて開催。10日は「夜宮」として、午後4時~滋賀大生の団体・滋賀エコプロジェクトがメイン会場の七曲がり広場や大橋町一帯の通りに約5000個のローソクを並べて点灯させるほか、軒先にはちょうちんがともる。芦田家では午後6時~「皿屋敷」などの落語(500円)や、Takumi Apatment駐車場で映像による「ようかいさんぽ」も。飲食あり。
 「本宮」の11日には神鳥雅次郎商店(芹中町)などで彦根張り子と馬ぐるまが展示。彦根張り子は江戸時代以降に彦根で作られ、さきごろ日夏町に張り子を作るための木型が残っているのが確認された。彦根張り子は全国で10数体が確認されており、11日は近江郷土玩具研究会代表の藤野滋さん(58)=東近江市=所有のトラとタイを展示。また馬ぐるまは彦根の商家の風習として、家督を継ぐ総領息子の宮参りの時に母方の親元が贈っていた台車の付いた木製の馬の人形。同商店には初代の卯平が明治20年ごろに孫のために漆塗りで仕上げた馬ぐるま(台車を入れて高さ約120㌢)が残っている。
 11日はほかに、蒔絵・金箔押し・彫刻・数珠ブレスレット作りの体験、七職や仏壇の洗濯など実演、信楽焼・近江上布・愛知川びん手まりの実演&体験、村岸家公開、バックパッカー写真展、西念寺で講話会など。500円以上の体験・飲食でスタンプ1個もらえるスタンプラリーや小学生以下対象の点在する地蔵さんを巡るスタンプラリーも。七曲がり広場では飲食・物販イベント。午前10時~午後4時。雨天決行。10日と11日のイベント中、通り沿いは歩行者天国に。
 10日~12日は、旧宮川箔押店で彦根商工会議所が2カ年計画で再現を目指して製造している甲冑のかぶと展や、七曲がりにちなんだ写真などの七曲がり博物館、若宮仏壇店で経済産業大臣賞を受賞した仏壇などを展示する仏壇展も。

高齢者・障害者の虐待・成年後見支援の権利擁護サポートセンター襷(たすき)がオープン

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 高齢者や障害者への虐待や成年後見などを支援する権利擁護に関する専門機関「権利擁護サポートセンター襷(たすき)」が1日、彦根市平田町の市福祉センター別館に開所した。
 市によると、市内には認知症の高齢者が約4300人、知的障害者が約1000人、精神障害者が約600人いるとされ、その数は今後10年間で2倍近く増加すると予想。また虐待や成年後見に関する市などへの相談件数も増加傾向にあり、そのうち高齢者への虐待は昨年だけで11件(通報は29件)だった。
 権利擁護に関する相談はこれまで、市や地域包括支援センターが応じてきたが、民生委員らからはより専門機関を設ける声が高まっていたことから、市はNPO法人あさがお(大津市)に委託する形でサポートセンターを設置した。
 サポートセンターでは社会福祉士の職員3人が、虐待を受けた本人などからの相談、後見申し立ての支援、後見人への支援、地域の権利擁護の担い手養成、権利擁護に関する普及などを行う。施設名の「襷」には関係者が連携して解決を目指すという意味が込められている。
 問い合わせはサポートセンター☎(23)8642。

滋賀県遺族会青年部が滋賀県護国神社にヒトツバタゴ・ナンジャモンジャの苗木植樹

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 滋賀県遺族会青年部は5日、彦根市尾末町の県護国神社の境内の一画に、ヒトツバタゴ(別称・ナンジャモンジャ)の苗木を植樹した。
 同青年部は戦没者の孫やひ孫らで今年4月に結成され、県内で190人が所属。組織の結成を記念し、近江八幡市の沙沙貴神社にある神木の苗木を植えることにした。
 ヒトツバタゴは落葉樹で、成長すると10㍍に達し、毎年4月末から5月初めに雪のような白い花を咲かせる。明治神宮にもこの木があるが、その名前がわからなかった江戸時代の人々がナンジャモンジャと呼んだことから、別称でそう言われるようになったという。また神事に関係し神聖化されたため、本当の名前を呼ぶのをはばかられたという説もある。
 植樹式には県遺族会の関係者ら約30人が参加し、辻正人部長(46)らが順番に土をかぶせた。辻部長は「正しい史実を認識してもらうための活動をしながら、この木と共に青年部も成長していきたい」と話していた。

滋賀県立大学 不正経理の男性教員を停職3カ月に

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 彦根市八坂町の県立大学は、不正経理を行った男性教員(49)を停職3カ月にする処分と、学内の不適正な会計処理に関する調査結果を発表した。
 県大によると、この男性教員は平成22年度から学生を雇用した名目で、大学から賃金を支出させた上で、その一部を学生から返金させていた。学生の勤務日時が事実と異なる記録を提出していたといい、不正に受け取っていた額は男性教員が平成25年度から関わった文科省補助の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」(大学COC)を含め同26年度までに計約265万円に上った。
 今年2月中旬に男性教員の指導を受けていた学生の保護者から県大側に報告があり判明。県大は3月2日に公表し、調査委員会を設置し調べてきた。男性教員は不正に受け取った金を地域振興のイベント予算に使用したと話しており、全額返金したという。
 また県包括外部監査が3月13日に公表した監査結果で、県立大については教員の会計処理に関して分割発注や事後申請など8点の指導と17点の意見が出された。県は4月1日に専門の調査チームを設置し、実態を調査。包括外部監査の調査以外で教員1人による33件の不適正な会計処理があったことが判明した。
 再発防止策として県立大学は、▽雇用における勤務表の勤務内容や時間などを具体的に記載させるよう様式を改正する▽物品の事後発注を確認した際は教員に発注手続きをやり直させる▽業者には発注におけるルールの文書で周知させる―などをあげた。

茶婚式 玄宮園鳳翔台で初開催

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 茶道のお点前を受けながら挙式を行う「茶婚式」が6日から玄宮園の鳳翔台で始まった。玄宮園での挙式は不定期に行われているが、茶婚スタイルは初めて。
 市内のブライダル専門店や旅館、神社などの関係者らで今年2月に結成された彦根ウエディング協同組合が、井伊直弼公生誕200年祭に合わせて、直弼も茶会で活用した玄宮園での茶婚式を企画。応募の中から選ばれた県内外の5組が11月29日まで挙式を行う。
 初回の6日は愛知県安城市の西尾秀幸さん(36)と植村美文(みふみ)さん(37)の挙式があった。2人は植村さんの家族が茶道の指導者だったことをきっかけに茶婚式に関心を持ち応募。当日は親族ら19人と共に屋形船に乗った後、花嫁行列で鳳翔台に向かった。式では、石州流井伊大老御流西郷社中の西郷宗博(そうはく)さんからお点前を受け、一つの茶碗で茶を飲み合う夫婦固めの儀などにのぞんでいた。列席者も順番にお点前を受け、茶と菓子を頂いていた。
 西尾さんは「屋形船にも乗ることができ、お殿様・お姫様のような気持ちだった」、植村さんは「家族を含めて全員で体験できるのが楽しかった。景色も最高にきれい」と笑顔で話していた。

滋大陵水新聞 創設80年目の滋賀大学陵水新聞会が制作

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 彦根市馬場の滋賀大学経済学部には「滋大陵水新聞」という新聞があり、年8回ペースで発刊されており、市民も無料で手に入れることができる。
 同新聞は、昭和10年(1935年)4月創設で今年80年目を迎えた学生団体・滋賀大学陵水新聞会が制作・発行している2ページの媒体。主に学内でのイベントやセミナーなどの情報を載せており、最新号の9月15日付の338号では昨年度まで滋賀大准教授だった柴山佳太・京都大学大学院准教授と、同じく滋賀大准教授だった大川良文・京都産業大学教授が今年7月に彦根キャンパスで行ったセミナー内容などを掲載している。
 またこれまでの号では、日米など参加12カ国が今月5日に大筋合意したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について、賛成派と慎重派の教員へのインタビュー内容を掲載した4ページの特集号もある。
 現在、所属する部員は2年生2人と3年生3人。新聞の発行のほか、京都新聞の夕刊で地域情報を紹介する1ページも担当している。新聞は大学の長期休暇を除き、月末に1500部発行し、附属図書館や校舎棟1階の入り口に置いている。在庫があれば、過去の発刊号も無料で提供している。
 なお本紙次号では「新聞の役割」などについて部員3人に聞いたインタビュー内容を紹介する。

ご当地キャラ博in彦根2015開幕

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 ご当地キャラ博in彦根が17日開幕。18日までに全国から計196体、ひこにゃんなど地元のキャラを入れると209体が参加する。
 市内商店街などによる実行委員会が主催し、8回目の今年は17日に179体、18日に172体が登場。「くまモン」「せんとくん」「いまばりバリィさん」など人気キャラも両日参加する。初参加のキャラは18体。
 夢京橋キャッスルロードと京橋口駐車場に各キャラのブースが設けられ、地元の特産品やキャラクターグッズが販売される。ステージが京橋口駐車場と四番町スクエアの駐車場に設置されて、都道府県ごとにご当地自慢をする。
 井伊直弼公生誕200年祭の開催期間中のため、ひこにゃんをはじめとする城や直弼にまつわるキャラの合同ステージも予定。17日午後1時~銀座商店街のサブ会場ではキャラによるもちつき大会がある。
 各日に参加するキャラやステージの登場時間などは、ご当地キャラ博in彦根のホームページで確認できる。開催時間は両日とも午前9時~午後3時。雨天決行。
ガイドブック「ご当地キャラ図鑑」
 ご当地キャラ博in彦根に登場するキャラなどを紹介した公式ガイドブック「ご当地キャラ図鑑」=写真=が発刊。市内の商店などで販売されている。
 北海道から九州・沖縄までのエリアごとに参加するキャラの特徴を写真入りで紹介しているほか、全51問のクイズ、彦根のグルメ情報、会場アクセスマップなども掲載している。
 A5判・全ページカラー。1冊600円。アルプラザ彦根、戦国丸、平和堂銀座店、沙斗羅、太田書店、トラヤ、四番町ダイニング、祥福たこ壱、夢京橋あかり館、清瀧などで販売している。
電車・バスで来てね
 ご当地キャラ博in彦根に登場するひこにゃんら地元のゆるキャラたちが、公共交通での来場を呼びかけるため電車に乗る練習を披露した。
 彦愛犬の企業・行政などによる団体・湖東圏域公共交通活性化協議会が企画し、ひこにゃん、たがゆいちゃん、よいとちゃん(豊郷)、あしょうさん(愛荘)、近江鉄道のがちゃこんが参加。
 ひこにゃんを除く4体が近江鉄道の高宮駅に集合し、駅長役のがちゃこんに3体がキャラ博当日に発売される「がちゃこんでおでかけフリーきっぷ」を見せて改札口を通って乗車。車内でキャラたちはいすに座ったり、つり革につかまったりし、彦根駅でひこにゃんの出迎えを受けた。
 近江鉄道はキャラ博のある17、18日にがちゃこんでおでかけフリーきっぷを限定発売する。近江鉄道の電車、バス(湖国バス含む)が1日乗り放題。彦根城や彦根城博物館、玄宮園の割引も。料金は中学生以上1000円、小学生500円。近江鉄道駅窓口、バス車内で販売。

ご当地キャラ博in彦根2015 9万7000人来場、ふなっしーも急きょ登場

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 ご当地キャラ博in彦根が17、18日に開かれ、両日とも晴天に恵まれ、17日に3万7000人、18日に6万人(いずれも実行委発表)が来場した。

 17日は夢京橋キャッスルロードと京橋口駐車場に42都道府県の156ブースが設置され、市内のゆるキャラ13体を含む192体が参加。京橋口駐車場と四番町スクエアの駐車場には特設ステージが設けられ、都道府県ごとにゆるキャラたちが登場し、ご当地PRをした。
 京橋口ステージのこの日の最後には井伊直弼公生誕200年祭を記念し、城や直弼ゆかりのゆるキャラたちが登壇し、200年祭をPRした。
 また文化プラザのグランドホールではふなっしーの特設ステージ発表もあり、全国からのふなっしーファンが1000人以上詰めかけた。
 18日は42都道府県の149ブースが設置され、185体が参加。全国各地から前日以上の多くの人が来場し、会場は大賑わいだった。
 ご当地キャラ博の会場では、東日本大震災で被害のあった福島県を支援する彦根東高校による募金活動などが行われた。
 風評被害の払しょくと震災の風化防止を目的に、福島県はゆるキャラを使って県外の市町村との交流を進める「ふくしまから はじめよう。キビタン交流促進支援事業」を展開。昨年度に続き、白河市からゆるキャラの「しらかわん」と「ふくしまからはじめよう大使」の高校1年生の2人が彦根を訪れ、2日間、彦根東高新聞部と一緒に募金活動=写真=やステージで発表、湖東焼体験などをした。
 東高新聞部は特集「福島をつなぐ」を5年間続けており、その中で募金活動も実施しており、福島の子どもたちの「保養プロジェクト」に寄付している。12月にも福島を訪れ、白河市の高校生と交流するという。

ご当地キャラ博の経済波及効果が約5億5000万円

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 17、18日に彦根市内で開かれたご当地キャラ博の実行委員会は19日、経済波及効果が約5億5000万円(昨年同額)だったと発表した。
 滋賀大学社会連携研究センターが平成25年度まで調査・分析した観光客ら一人あたりの消費額を参考に、彦根商工会議所が推算し、公表した。
 それによると、同センターが平成19年度から同25年度の消費額から算出した平均額は、宿泊客が2万2160円、日帰り客が4645円。今年のキャラ博時の宿泊客数は前日の16日が1870人、17日が2156人、18日が1364人、来場者数は18日が3万7000人、19日が6万人だったとされていることから、宿泊・日帰りのそれぞれの人数と消費額の平均額から算出した。
 今年は2日間とも晴天だったため、経済波及効果も前年度に続いて5億円を超えた。

滋賀大学陵水新聞会の学生に聞く新聞の役割・将来像

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 滋賀彦根新聞は新聞週間に合わせて、滋賀大学陵水新聞会の中塚裕哉さん(22)、谷清隆さん(20)、田中遼さん(20)=いずれも3年生=に、これからの新聞像などを聞いた(以下、敬称略)。
 【新聞への印象】
 ◇ 中塚=最近では安全保障法案に関して、賛否両派の新聞はそれぞれの立場で一辺倒の報道に終始し、あおろうとしている姿勢が見え見えだった
 ◇ 谷=地方紙と全国紙3紙を読んでおり、一つのニュースについて比べるように心がけている。新聞はインターネットの情報と違い、自分に興味のない事も知ることができる
 ◇ 田中=大まかに見たい人はインターネットで十分だ
 【新聞の役割とは】
 ◇ 谷=日ごとに起こった出来事をまとめた総合的な情報紙。また問題を提起する最も良い媒体
 ◇ 田中=第一は情報を伝えるものだが、広告面も貢献している
 ◇ 中塚=読者が新聞を見た時に、各新聞がそれぞれのニュースをどのように伝えたいのかがポイントだと思う
 【これからの新聞像】
 ◇ 谷=割高感があるわりには興味の無い記事も載っている。社会面だけ、地域面だけ、というオーダーメイド型の新聞にしては
 ◇ 田中=範囲を狭くして、より掘り下げてはどうだろう
 ◇ 中塚=記事の切り売りは反対。総合的に情報提供をする姿勢はぶれて欲しくない。例えば、朝日新聞のように、(別刷りの)GLOBEやbeなど新しい着眼点の折り込みを一緒にするのも一つだ
 【新聞への思いなど最後に一言】
 ◇ 中塚=新聞作り一辺倒だけでは難しい。地域の課題の解決に向けた活動などに注目していくことからスタートしていく必要がある
 ◇ 谷=学生をはじめ、活字離れが進んでいる。もう一度、紙面を読む習慣になるようにしていければ
 ◇ 田中=現時点よりいかに上積みさせるかを考えないと。学生をはじめ、読みたい新聞作りを心がけるのが重要。(聞き手=山田貴之)
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