衆院選挙が2日公示され、滋賀2区には民主元職の田島一成氏(52)、共産新人の中川睦子氏(56)、自民前職の上野賢一郎氏(49)が立候補。安倍首相の経済政策「アベノミクス」の是非をはじめ、東アジア外交、安全保障、原発などをテーマにそれぞれの公約を訴えている。投票は14日。2区の有権者数は26万2327人。
田島候補は彦根駅前で「アベノミクスは東京だけがおいしい思いをしており、(その恩恵は)地域で暮らしている誰一人にも届いていない」と第一声。
「農家からは農業が続けられない、福井の原発に対しては再稼働が不安、中小企業からは円安で資材の値段が上がって仕事が続けられない、との声を聞く」と現政権の政策を批判した上で「農家には個別所得補償制度を行い、中小企業を支える制度をつくり、高齢者や困窮者への社会保障制度を充実していきたい」と説明。「この生まれ育った湖東湖北の代表として、疲弊した地域、企業、暮らしを立て直したい」「安倍政権に真っ向から挑むためにも、もう一度国会で戦い抜きたい。現政権への怒りを私に入れてください」と、再選のための支持を求めた。
中川候補は彦根市長曽根南町の事務所前で「今回の選挙は安倍暴走政治との戦い。全力で戦い抜き、何としても皆さんの願いを叶えたい」と第一声。彦根での市民アンケートで母親や若者たちが生活に苦しんでいることを紹介した上で「多くの人たちが安倍暴走政治を止めたいと思っている。私たち共産党がしっかりと示している対案を多くの人に知ってもらい、広めてもらうことが躍進につながる。安倍暴走政治を止める確かな力は共産党。私、中川を国会へと押し上げてほしい」と支持を呼びかけた。
共産党の奥谷和美県委員長は「安倍政権は消費税増税、原発再稼働など国民の声を無視した政治。我々は▽消費税10%の中止▽アベノミクスのストップ▽戦争する国づくりを許さない▽原発再稼働はノー▽沖縄新基地建設の中止―などを掲げている。私たちが頑張り抜けば共産党が躍進する。期待と支持があっても得票が議席にむすびつかなければ、私たちの声は政界に届かない。ありとあらゆる力を結集して、勝ち抜こう」と激励した。
上野候補は長浜市内の事務所内で第一声。「この2年間、安倍政権は日本の建て直しに取り組んできた。働く人の数は100万人増えた。失業率も大幅に改善した。数字のうえでは日本経済はデフレ脱却の糸口が見えている」とアベノミクスの効果を語った上で「しかし、我々の暮らしの実感はまだまだ。だからこそ、私どもに仕事をさせていただきたい」と訴えた。
中国の海洋覇権などを念頭に「東アジアの緊張はこの50年間で最も厳しい。近くの国とは友好関係を結ばなければならないが、国民の命、国土、海をしっかり守り抜くのが大前提。毅然とした外交を安倍政権のもとで貫く」とした。地域の課題としては国体、北陸新幹線の米原駅乗り入れ、彦根城の世界遺産登録、国道8号線の渋滞緩和とバイパス化、河川の整備計画の後押しなどを挙げた。
後援会長の河本英典元参院議員は「日本を取り巻く国際環境は非常に変化している。民主党のようなのんきなことを言っていると大変なことになる。中国や北朝鮮の脅威など、外交面でやるべきことがある」と語った。