「平和堂の中国湖南省進出」をテーマにした公開セミナーが1月29日に滋賀県立大学であり、同社中国室長の古川幸一さん(65)=長浜市=が講義をした。
古川さんは中国へ進出した経緯について、湖南省の政府から強い要請があったことをあげながら「幹部社員はみんな反対したが、当時の夏原平次郎社長の強い意向で進出を決意した」と説明。「自己主張が強く、人に頭を下げることを嫌う中国人に『お客様第一』の考えを浸透させることに苦労した」と述べた。
2012年9月15日に発生した反日デモについては、3店舗でテナントを含めて35億円以上の被害が出たことや、現地ではほとんど報道されなかったことを紹介しながら「一時は撤退することも考えたが、中国人の社員から『もう一度、店を開こう』と言われたため、再開を決意した」と語った。
同社は昨年4月に4店舗目をオープン。今後について、古川さんは現地のインフラ整備が進んでいることにふれながら「人材の教育の問題もあるが、2、3年で1店舗のペースで、現在の店から近い場所に出店していきたい」と話した。