平成36年に滋賀県内で開かれる国体の主会場を誘致する活動が活発化してきた。主会場の候補地に挙がっているのは、県立彦根総合運動場、県立希望が丘文化公園(野洲、湖南両市と竜王町)、びわこ文化公園都市(大津、草津)。彦根市などが一足早く要望書を県知事に提出しており、今後、選定時期の3月までにほかの地域を含めたPR合戦が行われそうだ。
候補地は3地域のほか、当初は大津市の皇子山総合運動公園も挙がっていたが、同市は費用負担の軽減や瀬田・石山エリアの開発促進のために、びわこ文化公園都市に絞る意向を示している。彦根市など湖東・湖北の7首長は昨年11月に主会場を彦根に誘致することを求める要望書を嘉田知事に提出。ほかの候補地でも市議会で主会場誘致を求める意見書を可決する動きがあるなど誘致活動に努めている。
主会場などを選ぶ県開催準備委員会は昨年末に大津市内で開いた専門委員会で、県内候補地別の概算での事業費や課題などを提示した。そのうち施設を整備するための事業費は、彦根が134~140億円、希望が丘が128億円、公園都市が217億円―必要とされた。
また課題として、彦根は▽城下町景観形成地域など法令上の問題▽彦根城の世界遺産登録への影響▽競技場付近の地盤が不良▽場内の駐車スペース不足―などが指摘されたほか、希望が丘は山を削る工事が必要、公園都市は山林の大規模造成が要る点などがそれぞれ挙げられた。
県教委の国体準備室によると、今後は専門委員会が開く2回の会議で各候補地の利点と欠点を分析した上で、今年度中に主会場を選定する予定。