新年度予算案の討論の中で、獅山議員と谷口議員がドイツ政治学者のマックス・ウェーバーの著書「職業としての政治」を引用していたが、ウェーバーはその本で政治家に必要な資質として、情熱、責任感、判断力をあげている。小生はその3つに先見性を加えたいが、はたしてそれらの資質が大久保市長に備わっているだろうか。
庁舎耐震化の裏合意問題では責任を副市長になすりつけて辞任に追い込み、庁舎耐震や広域ごみ処理施設などに対する先見性無き判断が要因で市政を混迷させていることから、強いて資質があるとすれば、選挙に出る誰しもが備えている情熱のみである。
その政治家だと言い難い市長に対して、遅きに失した感は否めないが、市議選改選のタイミングで市議会が不信任案を提出。市議24人中、可決まであと1票の17人が賛成し、退席した八木議員も「気持ちは不信任」と話していた。公政会から反対に回った2人のうちの一人を含め、否決にするために水面下での駆け引きがあったとの見方をする市議や市民もおり、何とも後味が悪い結果に終わった。
現市政に対しては、マスコミ各社が毎日のように批判記事を掲載し、本紙をはじめ地元紙には市職員とみられる市民から内部告発の投書も届いている。市議会に見放され、マスコミに非難され、他市町から嘲笑され、市職員からの信頼がない市長を続投させる意味はあるのか、市政に関心がある市民なら理解して頂けるのではないか。
閉会後の会見で、辞して信を問う考えの有無に、市長は「選挙に市税を使うべきではない。選挙で事業を停滞させてはならない」と答えていたが、これまでどれほどの市税を無駄に使い、事業を停滞させてきたのか、早くも忘れているのか。
市議会は来月、改選され、10人前後が新人になりそうであるため、市長への不信任決議は新しい議会では難しいだろう。その議会の代わりを果たすのは市民しかおらず、すでに参院選後からの市長リコールの声も聞こえ始めた。政治に関心がない「殿様文化」下のリコール運動はなかなかハードルが高いが、安藤議長が最後の挨拶で話していた言葉を引用すれば、この異常な市政状態は来期(次年度)以降も続くのは必至であり、小生も市政の停滞、いな衰退は続くと確信している。一市民として辟易する日常から早く抜け出したいと願っている。【山田貴之】