彦根市佐和町の伊藤善規さん(70)と、一昨年に亡くなった妻の紀美代さん(享年63歳)の共著「有情鼠(うじょうねずみ)」が11月28日、発刊された。
本は3匹の兄弟妹ネズミと2匹のイタチ母娘が、田圃(たんぼ)大黒様とお家大黒様の命を受けて人助けに奔走する冒険ファンタジー。ストーリーは、お家大黒様の暮らす屋敷の一人娘が育児放棄をする原因に妖怪が取りついていることが判明。5匹の動物たちは神様と一緒に9つの戦術を実行する中、最後の「御先祖崇敬作戦」で妖怪退治に成功し、一人娘の母性が回復するという内容。
伊藤さんは病床だった紀美代さんのかたわらで、平成27年6月から原稿を書き始め、紀美代さんの助言を得ながら二人三脚で翌年11月に完成させた。11月28日に亡くなった紀美代さんの三回忌に合わせて発刊した。
伊藤さんは大阪府警、彦根市議などを歴任し、紀美代さんは小学校の教員を務めてきた。本の中では警察官や教員として、親や祖父母としての視点も取り入れたという。
伊藤さんは「この本では先祖をはじめ、目には見えない世界を敬うことが、子々孫々の繁栄につながるという儒教的な人生観を伝えたいとの思いで書きました。家族愛の大切さもテーマにしており、中学・高校生にも読んでほしい」と話している。
本は166ページ。1500円。表紙にはイラストレーターの森邦生さんの絵が描かれている。発行はサンライズ出版。希望者は芳有華伊藤☎(24)6348かファクス(27)5109、メール(nqk20359@nifty.com)。