滋賀大学経済学部(彦根市馬場)は5月31日、「競争と協調で拓くアジアの未来」をテーマに開学90周年の記念シンポジウムを開いた。
シンポジストには、嘉田知事、佐和隆光学長、平和堂の古川幸一・中国室長、近畿経済産業局の持木浩徳・通商部長らが招かれ、一人ずつ講演。
持木氏は、今後の世界経済におけるGDPのシェアについて日米欧が減少する中でアジアの途上国が上昇する図や、アジア新興国の中間所得層が今後10年間で1・5倍になるグラフなどを示しながら、「アジア各国の製品需要が今後、見込まれる上、良質で安価な労働力が確保できる」と解説した。
古川氏は、滋賀県と中国・湖南省が友好県省協定を結んだ昭和58年以降、湖南省の方から出店の強い要請があり、平成10年に長沙市に1号店目となる五一広場店をオープンした経緯を説明。中国人に「お客様第一」の考えを浸透させるのに苦労したことや、湖南省で一番の品揃えにした実績を話した。
昨年9月の反日デモにより、3店舗が相次いで被害にあったことについては、テナントを含めて35億円の被害が出たとした上で、10月27日には店舗(2店)営業を再開させたことと、4月28日に4店目をオープンさせたことを報告。今後も2、3年のうちに1店舗を出店し、ネット通信販売、フランチャイズ化などで事業を拡大させる方針を示した。