市教委文化財部では平成21年から3年間、彦根にあった60の城や城館を紹介する戦国をテーマにした事業を展開。市広報への連載や解説シートの作成、看板の設置などをしてきた。
解説本「彦根の城と城館」は、文化財部が作成した解説シートなどを元文化財部長の谷口徹さんが再編集し、60の城や城館のうち主要な20の城・城館と支配した領主について写真や絵図入りで2ページずつ紹介。
佐和山城や山﨑山城、肥田城、高宮城などのほか、新海城や平流(へいる)城など、あまり知られていない城も知ることができる。永禄2年(1559)に肥田城の西側で六角承禎(じょうてい)と浅井長政が戦った「野良田表の合戦」を説明した項目では、前年に六角が肥田城を攻めたものの失敗した肥田城の水攻めにふれながら「長政自らが先頭に立って、野良田一帯が大戦場になったが、六角方が総崩れとなり、2度の合戦の勝利で浅井が犬上・愛知の2郡を手中に治めた」と説明している。
谷口さんは「本では市内各所の城・城館を紹介しており、地元の歴史を学んで頂けると思う」と話している。本はA4判、カラー51ページ。1冊500円。500部作成し彦根商議所2階で販売している。
なお、彦根商議所は「彦根ヒストリア塾」を開講しており、最終3月30日のテーマは「彦根藩士ベスト10」。