温暖化防止のため建物の屋上にコケを植える活動をしているNPO法人モスグリーンEco(本部・多賀町)は、コケの下に敷くパネルに琵琶湖で育ったヨシを採用。コケとヨシのダブルの作用で温暖化防止に貢献できるとして、設置できる場所の提供を求めている。
同団体は、彦根市民や多賀町民、大学教員らによって平成19年10月に設立。多賀で育てたコケを建物の屋上に整備する活動をしており、これまでに滋賀県立大学や名神高速道路多賀サービスエリア、京都市内のマンションなど、県内外の計8カ所に設置した。
滋賀県立大学との実験によると、コケで屋上を緑化することで、コンクリートの屋根の場合、室内が6℃低下、屋上の外気が20℃低下したという。平成23年には県立大学などと連携し、コケを植えるパネルにヨシを採用。琵琶湖のヨシは高さ3㍍に成長する過程で窒素やリンなどを吸収して水の浄化に役立つほか、湖魚や水鳥の生息場所でもある。護岸開発などで衰退しているが、産業などに有効活用し需要を拡大することで、群落地域を増やすことができるという。
同団体は3月に多賀町のささゆり保育園の屋根にコケを設置=写真。その時に使ったヨシのパネルは地元の福祉施設・杉の子作業場の障害者によって作られた。同団体理事長の大辻誠男さん(71)は「温暖化防止のほか、高齢者や障害者の雇用にも役立つことができる。緑化の推進へ設置場所を募集している」と話している。問い合わせは同団体の事務局☎とファクス0774(72)7697。