全国にある護国神社の大元が東京都千代田区にある靖国神社―、そう誤解している人もいるのではないか。しかし、調べると護国神社と靖国神社は、あくまで対等の関係にあることがわかる。
確かに全国の護国神社に祀られている御英霊の多くは靖国神社にも合祀されているが、明治2年6月29日に明治天皇のおぼし召しで東京招魂社として創建された靖国神社とは違い、護国神社は地元の有志たちによって設立されたという違いがある。全国47都道府県のうち、東京都と神奈川県のみ護国神社がなく、靖国神社が両都県の護国神社の役割も果たしている。
靖国神社に対しては、いわゆる戦犯の合祀に対して参拝に反対する意見もあるが、同神社は全国の護国神社同様、戦没者の御英霊を偲び、遺徳を称え、感謝の誠を捧げる神聖な場所であり、戦争を美化したり、その責任を追及したりする場ではない。
滋賀県護国神社の山本賢司宮司は「遺族であるなしに関係なく、生き残った私たちが感謝の気持ちを御英霊に向け、靖国神社と護国神社へお参りすることで、神様の力は強まり、その力が強くなることで日本を守ってくださる」と話している。【山田貴之】