今議会の焦点になっている文化プラザの来年度の指定管理者に関する議案は、市議会最終日の19日に賛成多数で可決される方針だ。選定時における市のさまざまな問題が明らかになっている中での決着に、市と市議会による説明責任が問われそうだ。
この問題を巡っては市議会一般質問で6人の市議が取り上げ、▽選定委員会の委員8人のうち市職員が4人を占めていた▽選定委員の市職員が次期指定管理者候補のケイミックス社(東京都)を訪問し応募を促していた▽選定項目に現運営団体に不利な項目があるなど最初から現運営団体を落とす意図があった▽ケイミックス社が運営している栗東さきらでは元従業員がほとんどいない(一人しかいないとの声も)―点などを指摘していた。
一方で、賛成派議員からは▽ケイミックス社が全国の同様施設で27館を運営している▽市民団体が行ってきた文化関連事業はほかの施設でもできる▽関連議案を否決した場合、損害賠償の恐れや次年度はしばらく市の直営になる―ことなどをあげていた。
採決では関連議案に対して市議5、6人が反対し、残りが賛成に回ることが予想され、可決される見込みだ。
教育常任委員会で可決
文化プラザの次期指定管理者の関連議案を協議する市議会の福祉病院教育常任委員会(小川喜三郎委員長)が13日に行われ、賛成4、反対3で可決された。
委員会では山田多津子議員が「ケイミックス社が指定管理となっている栗東さきらの常勤従業員15人全員が非正規である」と、雇用面での問題を指摘。市側は「企業がどのような雇用形態をとられるのか、行政は関与できない。(ケイミックス社には)正規で考えて頂けると思うが、調整の段階で努力していきたい」と答えた。
委員会では、選定委員に配布された応募5団体の提出書類をまとめたダイジェスト版の提示を求める案が賛成多数(4人)で決められ、初めてダイジェスト版が委員に公表される場面もあった。
委員会はほかの4議案を含め、約5時間行われ、文化プラザの指定管理者問題の議案では、有馬裕次、山田の3議員が反対したが、渡辺史郎、杉本君江、前川春夫、北川元気の4議員が賛成し、可決された。