フジテック(本社・彦根市宮田町)は、手をかざすだけで操作できるタッチレスやかご内の混雑具合がわかる機能などを搭載したエレベーターを開発。エレベーターが新型コロナウイルスの集団感染の原因にもなっているため、同社では「快適で安全な移動空間を提供できる」としている。
同社製のエレベーター「エクシオール」のフルモデルチェンジ製品。エレベーター専用のクーラー、定格速度分速120㍍、8・4㌅大型液晶モニターをはじめ、機能や性能、デザインを充実させた。4月1日発売。
主な機能のうち、タッチレスは赤外線ビーム式のセンサーを搭載した操作盤に、利用者が手をかざすだけで呼び登録と行き先登録ができる。従来のようにボタンを触る必要がないため、衛生的でスピーディーに操作できる。一般的な場所のほか、食品工場や病院、研究機関などに最適だ。
混雑度表示は、各階の乗り場でかご内に何人ほど乗車しているかが5段階表示で把握できる機能。「利用者が多く、密集しているから見送ろう」「降りてくる人たちに備えて、ドアの脇に立とう」などの判断が事前にできる。
新型コロナ対策も
「安心の移動空間」
プラズマクラスターイオン発生装置はシャープの技術を活用し、プラズマクラスターイオンの放出によりエレベーター内の空気の汚れを浄化できるという機器。乗り場やかご内のボタンには抗菌性樹脂を練り込んでおり、細菌の増殖を抑制する抗菌ボタンを採用している。かご内の8・4㌅の大型液晶モニターでは時事通信社の政治、経済、社会、スポーツなど6ジャンルのニュースや日本気象協会の天気予報を提供する。
岐阜市内ではビルのエレベーターが原因とみられる新型コロナウイルスの集団感染が発生している。フジテックの広報担当者は「非接触や抗菌ボタンの機能のほか、ソーシャルディスタンス(他者との距離が確保できる)にも配慮した製品で、安心できる移動空間が提供できる」としている。