2月議会での新年度予算否決と市長不信任案提出、ひこにゃんの活動休止騒動を経て、6月議会でようやく新年度予算が議会の承認を得た。予算案に賛成したある市議は「大久保市長を評価することは到底できないが、これ以上の市民への影響を考えると承認せざるを得なかった」と苦渋の思いを明らかにした。
2月議会で予算案の承認が得られなかった原因として、今議会等で大久保市長は議会への説明不足を強調していたが、案の定、複数の市議からは「議会への責任転嫁だ」と批判されていた。見直し事業による市民の反発や、ひこにゃんの活動休止の影響を予期できなかった観点から、小生も市政混迷の責任はすべて市長にあると確信しており、「責任転嫁」の論調は筋違いである。
これまでのコラムにおいても指摘してきたが、政治家のうち首長に最も欠かすことができない資質は「先見性」である。この予算騒動をはじめ、市役所庁舎耐震化事業、広域ごみ処理施設の候補地選定などにおいて、現市長の判断ミス、いな先見性の無さで停滞している。
小生は、現市長の続投は市民にとって不幸であり、彦根の将来にとっても何らプラスにならないと確信している。先の市長不信任案は可決するべきであったし、そういう観点からすると、市政混迷の責任は市議会にもあるといえよう。
4月の改選を経て間もないため、現市政を見極めている新人市議もいるだろうが、「不安要素」が多々あるのが実状であり、「先見性」のある政治家ならば今後も市政の混迷が続くのは容易に予想できる。新人市議を含め市議会には、市民が安心できる暮らしのため、彦根の明るい未来のための判断を切望している。【山田貴之】