彦根市立城南小学校区で8月28日から子どもたちの下校時に、住民たちがヘルメットに動画撮影できるカメラを取り付けて自転車でパトロールする取り組みが始まった。
今年5月に新潟市内で小学2年生の女児が下校途中に連れ去られて殺害された事件を受けて、城南学区の住民たちで組織する小泉町青少年育成協議会が不審者対策の一環として、カメラで撮影しながら見守る自転車パトロール隊を2学期に合わせて結成した。
同協議会に所属する約20人がローテーションで、カメラを装着したヘルメットをかぶって「監視カメラ作動中」と記されたプラスチック板を前後に着けた自転車に乗って、下校時間の午後3時から1時間半、城南学区内をパトロールする。映像を記憶するSDカードを5枚用意し、月曜から金曜に分けて映像を1週間保存できるようにする。同協議会の永井嘉和会長(66)がSDカメラなどを保管し、不審者が出た場合には警察に映像を提供する。
初日はキックオフイベントがあり、同協議会のメンバーが「ウチの子に手出したら承知せえへん」と書かれたプラカードを手に見守る中、カメラを装着したヘルメットをかぶった女性1人を含む3人が自転車に乗って、児童たちの拍手を受けながら最初のパトロールに出て行った。
永井会長は「子どもたちの安全確保は地域の皆さんの切実な願いで、その第一歩が踏み出せた。このシステムを作り上げて、広めていきたい」と話していた。今年度は170度を見渡せるカメラを装着し、来年度以降は360度の全方位カメラにする予定。