彦根市議会の6月定例会が21日再開し、一般会計補正予算案など7議案が可決された。またこの日は奥野嘉己議員から大久保貴市長に対する辞職勧告決議案が提出されたが、賛成少数で否決。安澤勝議員から出された新しい広域ごみ処理施設の建設候補地の見直しを求める決議案が賛成多数で可決された。
提案説明で奥野議員は、市役所本庁舎耐震化に関する裏合意の問題や、来年度以降に財源不足が見込まれるとした市の中期財政計画などをあげ「このままでは本市運営が暗礁に乗り上げることは明白。市長ではこれらの課題を解決に導くことは困難であり、その辞職を求める」と説明。獅山向洋、山内善男、辻真莉子の各議員が賛成討論、和田一繁議員が反対討論を行い、賛成7人で否決された。
新しい広域ごみ処理施設について安澤議員は、▽建設候補地の愛荘町竹原の周辺6自治区で反対表明されている▽竹原に決定した経過に多くの疑問が存在する▽圏域の7割のごみを彦根市が占めていることから市内を建設候補地とするのは当然―だとして白紙撤回と市民の利益になるような検討を求めた。採決では賛成19人、反対4人で可決された。
ほかに新しい市民体育センターの早期建設を求める請願書が採択、市消防団人事について市長の任命権者としての役割発揮を求める請願が不採択となった。財政規律の堅持と透明性の確保に関する決議案は賛成少数で否決された。
辞職勧告決議案が出されたのは平成9年以降でない。閉会後、市長は「ご意見をしっかりと受け止めて、一つずつの課題に全力をかけ、信頼回復に努めたい」と述べた。