彦根市役所の耐震化に絡んで市職員が施工業者と裏取引をしていた問題に対し、彦根市議会で(※)「百条委員会」の設置を求める声が高まっている。2月2日には市議会の全員協議会があり、百条委設置に向けて会派間で調整するとみられる。
市役所耐震化を担当していた一部の市職員は、市の見積額の29億3500万円に収めるため、空調設備など約20項目の工事を除いた裏取引を施工業者と行い、見積額のままの関連予算が昨年6月議会で議決された経緯がある(本紙27日付で関連記事)。
市からこの問題の報告を受けた市議会は会派内で話し合いを行っており、各会派または議員からは、大久保貴市長や引責辞任した川嶋恒紹・前副市長、担当職員、施工業者らを招いた百条委を設置する意見が出ている。
本紙の取材に応じた議員の一人は「6月議会で関連予算に賛成した議員としては騙された感がある。川嶋副市長がどこまで関与していたのか、百条委で真実を追及する必要がある」と話している。
今後は各会派内、会派間同士で百条委設置と臨時会の招集を求めるための話し合いが行われるとみられる。
※【百条委員会】自治体の事業に関して疑惑や不祥事があった際、地方自治体法100条に基づいて、その自治体の議会が設置する特別委員会。該当する事業の職員や関係者らの出頭、証言を求めることができる強い権限を持っており、虚偽の証言をしたり、証言を拒否したりした場合などには禁固刑や罰金を科すことができる。