彦根愛知犬上広域行政組合(管理者・大久保貴市長)は3月30日、28年度中を予定していた彦愛犬地域のごみ処理施設の建設候補地の選定を「29年度に遅らせる」と発表した。
昭和52年に建てられた野瀬町の彦根市清掃センターの老朽化に伴い、同組合が代替施設の候補地を模索。平成27年10月からは1市4町内で、4~5㌶の土地が確保できる地域の自治会長や土地所有者を対象に新施設の建設候補地を募集し、昨年7月末までに彦根市内の3地域、愛荘町内の2カ所から応募があった。同組合内の選定委員会が候補地の順位付けを行い、今年2月13日の15回目の会議を経て、1市4町の首長と彦根の副市長による管理者会に報告。管理者会では今月9日までに3回の会議を開いてきたが、「5カ所とも候補地になり得るため、時間をかけて協議する必要がある」として、候補地選定を「できるだけ早い時期に」遅らせることを決めた。
今後のスケジュールとしては、管理者会が候補地を決めた後、基本計画を策定し、ボーリング調査や測量などを行い、平成30年度以降に4年半ほどかけて環境アセスメントの調査、土地の購入などを経て、同35年ごろから建設に入り、同39年度中に完成させる予定。総経費は平成20年度の基本構想時で約102億円と概算されている。
新しいごみ処理施設の候補地選定を巡っては、これまでに石寺町、海瀬・三津町の地域が候補地にあがったが、地盤の軟弱や地元の反対で、石寺が平成20年5月に、海瀬・三津町が平成25年3月に計画が白紙化した経緯がある。3度目の今回は初めて公募制を採用し選定を進めているが、一部の地域では反対の署名活動も行われるといい、今後の動向が注目される。