彦根市議会の一般質問が15日から始まり、初日には前市長の獅山向洋議員が登壇し、市役所本庁舎の耐震化を巡り大久保市長と対決した。
獅山議員は、昨年12月議会で可決された付帯決議のうち「耐震補強ができていない市民会館にある水道部と市教委の執務スペースを本庁舎に増築する」とする項目をあげながら、「災害はいつ起こるかわからない。市民会館に来庁する市民や職員は危ない。安全面をどのように考えているのか」と迫り、市長は「耐震補強をしないとは言っていない。(彦根駅東口に仮設庁舎建設後)しっかりと考えて対応する」と答えた。
また付帯決議の「工事中に仮庁舎を本庁舎の敷地内に建設することを求める」項目について、獅山議員は本庁舎内の一部に県有地があることを指摘した上で「まずは県と調整した後で仮庁舎の議案を市議会に提出するべきで順序が違うのではないか。これで市議会が認めると考えているのか」と批判。市長は「並行して県と協議をしていきたい」と理解を求めた。
このほか、獅山議員が市長時代に決めた「現行案」が大久保市長が進める「今回実施案」より優れているのではないかとの指摘に、市長は「市民課や税務課など窓口業務を1階に集約できる。ワンストップサービスが現行案よりも向上する」と、現行案の優位性を否定した。
今議会には本庁舎の耐震化工事を控え、仮設庁舎を彦根駅東口に設けるための補正予算が盛り込まれており、市議会の判断が焦点になっている。
旧外堀土塁 市有地に
辻真理子議員は彦根城の旧外堀の土塁の活用について、個人が所有している敷地内の市有地化を要望。担当部長は「国の特別史跡に指定してもらった後、市有地化の方向で進めたい」と語った。
なお一般質問は17日までの予定。