彦根市の大久保貴市長は滋賀彦根新聞の取材に、彦根城内にある裁判所(金亀町)を彦根駅東口に移転させる方向で調整していることを明らかにした。先週9日の自治会長会議では駅東口開発の一環として、国の機関を集積し官庁街として整備する意向を示していた。
駅東口の整備計画は約17万3000平方㍍に商業施設などを建設するプラン。開発の遅れで完成時期が先延ばしになっており、現在は平成30年度中の完成を目指しているが、整備完了のめどは立っていない。また彦根城の世界遺産登録において専門家からは、現代の施設の裁判所などが城内にあることは登録におけるネックの一つだと指摘する意見が以前からある。
これらのことから市長は裁判所を駅東口に移転させたい考えを示し、管轄する財務省近畿財務局と調整を進めるとしている。市長は「大津市のような裁判所がある合同庁舎にしたい」とも述べており、裁判所に隣接する大津地方検察庁彦根支部や立花町の彦根税務署なども合わせた建物を駅東口に移築して総合施設にしたい意向を示している。また国の財政支援を受けながらITや環境技術などを駆使して街全体の電力の有効利用を図る「スマートシティー」の活用にも言及している。
建設場所については所有者の大半が民間企業のため「現時点では言えない」、完成時期についても「未定」としている。
今後は、ほかの国の機関や彦根市役所に隣接する県の湖東合同庁舎と合わせた移転計画も浮上する可能性がある。