赤こんにゃくと言えば、近江八幡市の名産品として知られるが、彦根市内でも赤こんにゃくを製造している会社がある。市内で唯一のこんにゃく専門店「山中商会」(芹橋2)だ。同社が開発した「赤兜蒟蒻(あかかぶとこんにゃく)」は湖東湖北の観光客の人気商品にもなっている。
同社は戦後間もない昭和20年9月に本町1丁目に開業。以降、小売店やスーパーへの卸売りを中心にこんにゃくを製造・販売してきた。平成14年11月に現在の場所に移転した。彦根城築城400年祭が開催された平成19年のころから彦根の土産物作りを始め、3年後の同22年3月に井伊家の赤備えにちなみ「赤兜蒟蒻」を開発。ラベルには初代・井伊直政公の天衝型かぶとや井伊家の家紋を印刷している。
原材料のこんにゃくいもは群馬県産を使用。すりつぶして製粉化し、練って固めるとこんにゃくができるが、同社ではいもの種類と量にこだわったため、他社のこんにゃくよりも、こしに強さと粘りがあるという。実際、市販されているこんにゃくの多くは寝かせて陳列されているが、同社製は立たせたままで置かれている。山田順彦(としひこ)社長(59)は「最強の赤い軍団・井伊家の赤備えにちなんで、最強の粘りとこしを備えた赤いこんにゃくにした」と話している。
希望小売価格は320㌘のこんにゃく2個が田楽味噌付きで600円、昆布と一緒に味付けしてつけたこんにゃくが500円(いずれも税別)。湖東湖北の主なショッピングセンター、ホテル、土産物店、道の駅などで販売。
山田社長は「彦根の土産物の代表格になるよう今後も努力するほか、市民の皆さんにも知ってもらいたいので、まずは食卓で食べてほしい」と語っていた。問い合わせは同社☎(22)1053。