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佐渡一清さんの洋画「兆」日展で特選

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 彦根市銀座町の「金美堂」店主の佐渡一清さん(64)の作品が、国内最大の美術展・日展(日本美術展覧会)の洋画部門で特選を受賞。本紙に喜びを語った。
 佐渡さんは、昭和48年に金沢美術工芸大学油絵科を卒業。店を経営しながら、米原高や彦根翔陽高、彦根総合高などで講師も務めてきた。現在は京都アートスクール彦根駅前校の校長やアトリエがある芹橋1丁目で絵画・造形教室の指導者として活躍。彦根洋画協会会長や青湖会会員のほか、今年5月から全国組織の日洋会の会員に就いている。
 絵画仲間からの進言で平成24年から日展へ出品しており、2年連続で入選。3回目の今年もこれまでと同様、20歳代の女性をモデルにした100号サイズの絵「兆(きざし)」=写真=を出品した。青いTシャツを着た女性が、赤いバラが突き出た柵の前に立ち、黒色のスカートをつまんでいる様子を描いた作品で、佐渡さんは「若い女性の属性がほころびていく形をモチーフに、社会への不安と希望を持ちながらも、将来に挑む自負心を示している人間を表しました」と解説した。
 日展は日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の部門に全国から応募があり、そのうち洋画1996点からは入選640点、特選10点が選ばれた。公益社団法人日展は、佐渡さんの作品の授賞理由として「作家は優れたデッサン力と構成力をもって人物画に正面から取り組んでいる。省略された余白の処理も的確で女性の存在感を強く引き出し、特選にふさわしい秀作である」と絶賛している。
 日展からは今月19日に通知があり、受賞について佐渡さんは「通知がきた時は驚いた。この私が特選をいただいて良いのか、気後れしている」と話していた。
 昨年の書部門の審査方法が問題になったため、今年度は「改組 新 第1回日展」として東京都港区の国立新美術館で開催。期間は10月31日~12月7日で、以降、京都や大阪、名古屋などで巡回展も開催される。

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