特定外来生物で駆除対象のヌートリアが彦根市内で今年度、5頭捕獲されており、増加傾向にあることがわかった。市は「見つけた場合は連絡してほしい」としている。
ヌートリアは南米原産。大きなドブネズミのような体つきが特徴で、後ろ足に水かきがあるため河川や沼地、湖で生息。年間2、3回の出産で一度に複数の子どもが生まれる。草食性でヨシなど水生植物や陸上の植物と農作物を食べ、土手や堤防などに複数の穴を掘って過ごす。終戦後、国内に広まり、各地で稲を中心にした農作物被害や水生植物の食害、堤防・水田・ため池の破壊が報告されている。
彦根市内では2016年ごろに曽根沼でヌートリアの生息が初めて確認された後、18年には芹川上流でも目撃された。生息の拡大を抑えるため、市は昨年6月に「市ヌートリア防除実施計画」を策定。捕獲に乗り出し、昨年度は曽根沼で大人のヌートリア1頭、今年4月には野田沼で子ども5頭を捕獲して駆除した。
捕獲は目撃情報の提供後、わなを設置し、ニンジンなどの野菜で誘い出す方法で実施。捕獲後は殺処分される。市生活環境課の担当者は「市内ではまだ農作物や水田などの被害は報告されていないが、生息数が増加した場合、被害が出る恐れがある」としている。
ほかに野田沼では外来種のジャンボタニシの生息も確認されている。