滋賀県内の不登校や登校拒否の小中学生向けのフリースクール「てだのふあ」が4月、彦根市芹橋2丁目の古民家内に開校される。
代表は県中央子ども家庭相談センターで一時保護所指導員を務める山下吉和さん(58)=城町2。山下さんは1987年から31年間、市内の佐和山、河瀬、稲枝西、旭森の各小学校で教員を務め、その間にさまざまな事情で不登校や登校拒否の子どもたちと出会ってきた。
芹橋の古民家活用
山下さんは「息苦しい環境から子どもたちを解放し、本来持っている個性や能力を伸ばし、生きる力を取り戻す取り組みが必要」との思いを抱き、フリースクールの開校を決意。NPO法人善利組まちづくりネットが所有する築約120年の古民家一画の約26平方㍍を借りた。スクール名の「てだのふあ」は沖縄で「太陽の子」という意味。
小学校時代の教え子で不登校だった2人を含む6人と一緒に運営にあたる。陶芸、書道、華道、絵画、木工、登山、釣り、園芸などの分野の約30人の講師陣もいる。スクールは毎週月曜と木曜にオープン。午前10時~個別学習、昼食後の午後1時~創作・散歩・菜園・スポーツ・音楽など「てだのふあタイム」で、午後4時半まで。どの時間帯に登下校してもよい。
小中生 体験入学も
山下さんは伊吹山の自然環境を保護する団体「伊吹山ネイチャーネットワーク」の事務局長も務めているため、月2回の金曜日には伊吹山登山をはじめ、釣りやカヌーなど自然教室も行う。月謝は週1回1万5000円、週2回2万円、自然教室のみ実費。3月1日に予定されていた開校式は新型コロナウイルスの影響で延期になった。
山下さんは「さまざまな人との出会いが人間を変えていくきっかけの一つになる。子どもたちには一人一人が安心して暮らせる居場所を提供していきたい」と話している。小中学生10人を募集。体験入学あり。問い合わせは山下さん☎090(9099)4822。