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歌舞伎役者目指す宮川孝太君

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 彦根市立城東小学校3年生の宮川孝太君(9)=城町1=は米原曳山まつりの子ども役者を務めている。歌舞伎をもっと習うため毎月3回、稽古のため上京しており、将来の夢に「歌舞伎役者」を掲げるほどのめり込んでいる。
 
米原曳山まつりで役者務める
 米原に住む知人から母親の知子さん(48)に子ども役者への着任依頼があり、宮川君は1年生終了後の春休みから米原で稽古を開始。米原曳山まつりの松翁山組に所属し、2018年5月に石川県小松市で開かれた全国子供歌舞伎フェスティバルに女性役で初めて出場した。
 宮川君は「最初は女性役が嫌だったけれど、周りのみんなが励ましてくれて、がんばろうという思いが強くなり、嫌な気持ちが無くなった」と説明。振付の市川団四郎さんからは「一回教えたらすぐに覚える子」と高評価を受け「孝太ファンになった」という。

月3回 東京のスクール通う
 18年の曳山まつりでは女性役だったが、昨年は男の禅師坊役を演じた。宮川君は「歩き方などに男女で違いがあり、最初はふらふらすることもあったけれど、乗り越えていくとすぐに面白くなった」と解説。歌舞伎の関連本を10冊以上読み、歌舞伎のテレビ番組も見ているといい「歌舞伎にはさまざま演目があり、色んな役がある。仕掛けも面白い」とその魅力を明かした。
 「歌舞伎のとりこになった」という宮川君は「さらに極めたい」との思いから昨年、東京都中央区の「こども歌舞伎スクール寺子屋」に応募。全国各地の小学1年から4年生の応募者数百人から選ばれた12人の中に入り、毎月3回の日曜日に通学している。宮川君は「講師の方は厳しい時もありますが、びしっとしていてとてもかっこいい。習うたびに(歌舞伎役者に)なりたい思いが強くなる」と話す。

仏像好きで「医師にも興味」
 歌舞伎のほかにピアノや水泳、野球も習っているが、「それぞれ、リズム感、腹式呼吸、体幹の面で歌舞伎に役立っている」と紹介。また宮川君は幼少期のころから仏像が好きで「(幼児のころは)薬師如来になりたかった」という。その実現が無理だと知った現在は「人間界の薬師如来にあたる医師にもなりたい。楽しくてしょうがない歌舞伎役者か医師か迷っているところ」と笑顔を見せた。
 宮川君の祖父は永樂屋の宮川孝昭さん(75)。知子さんは「彦根仏壇という伝統産業の家に生まれ、伝統文化や伝統芸能に興味がある子を持ち、母親として幸せな気持ち。どの道を選ぶかは本人に任せる」と述べた。
 最後に宮川君は「将来はまじめで、正直で、何事にもあきらめない大人になりたい。みんなにほめられる人にもなりたい」と抱負を語った。

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