6月30日にテレビ朝日の番組「ナニコレ珍百景」で彦根市立西中学校の台がずれた時計台が紹介された。投稿した西中の卒業生らからは「なぜ、この形になったのかが知りたい」と情報提供を呼びかける声があがっている。
時計台は高さ約2㍍70㌢で西中の前庭に建っており、上部の時計部分だけが向かって左側に数十㌢ずれている。ほとんどがコンクリート製で、左側面には「昭和39年度卒業生寄贈?」と記され、右側面には階段の代わりとみられる鉄製の取っ手一つと取っ手跡が2カ所ある。
時計の上部は木製の囲いが築かれている。現在の時計は丸いが、形状から従来は四角い時計が備えられていたとみられる。時計台の後ろには鉄柱が装着したまま残っており、西中の事務職の松井傳樹(ただき)さん(31)は「時計のほか、国旗などの掲揚場所としても使われていたのではないか」と話している。時計台の後方には現在、後に建てられた国旗掲揚塔がある。
昭和36年(1961)の卒業生たちが今年4月に西中を訪れた際、時計台の話題になり、そのうちの一人の牧野武彦さん(74)=大阪府高槻市=が「ナニコレ珍百景」に投稿。番組では牧野さんら同級の卒業生を取材する様子が放映され、当時の美術教員の指導でコンクリート製の卓球台を作った思い出話などが紹介された。時計台も同じ美術教員で作られた物かと推測した様子も流されたが、ずらした理由などの真相は明らかにならなかった。
西中や卒業生らは、ずれた時計台のデザインの理由を知りたがっている。滋賀彦根新聞も当時の地元紙などで調べたが、確認できなかった。問い合わせは滋賀彦根新聞の山田貴之記者☎080(5777)2219。