彦根出身で滋賀ふるさと観光大使を務めているミュージシャンの西川貴教さんが1日、市役所で大久保貴市長と懇談し、今後のイベント時に協力する考えを示した。
西川さんは4歳まで彦根で過ごした後、野洲に引っ越した。懇談の冒頭、西川さんは「ひこにゃんの活動も継続されることになって本当に安心している」と笑顔を見せた。
市長は彦根城の世界遺産登録への取り組みや2024年の国民スポーツ大会に向けたインフラ整備を進めていることにふれ「これらをアピールして交流人口を増やす構想を立てている」と説明。西川さんは「滋賀は宿泊施設の整備が遅れており、近隣府県に依存している状況。彦根には歴史的に重要な遺産がたくさんあり、その中で都市計画を見直すのは大変なこと」と話した。
彦根市が当初、今年の花火大会の中断を公表していたことに、西川さんは3月16日にツイッターで、草津で開催しているイナズマロックフェスをあげ「この状況イナズマに預けてもらえないですかね?これまでもイナズマの派生イベント開催のお願いを彦根市や商工会議所に何度も突き返されてきました。話だけでも聞いて下さい。県民の皆さんが最優先です」とつぶやき、全国的なニュースにもなった。その後、市は花火大会の補助を盛り込んだ予算案を提案し、先の市議会で可決。8月26日の開催が決まった。
花火大会の開催に対し、西川さんは「このような状況は滋賀だけでなく、他府県でもお祭りや花火大会の協賛金を集めるのが厳しくなっている」「税収が少なくなる中で、市はまちの豊かさを維持する必要がある。来年以降の花火大会についてもきちんと作り上げることができるようチャンスを作っていただきたい」と要望。市長は「花火を見る側のニーズも変化しているうえ、課題も多くある。前向きにどうすればよいのかを考えていきたい」と語った。
懇談の最中には、ひこにゃんと西川さんのキャラクター・タボくんも登場し、市長と西川さんを交えて記念撮影をした。最後に西川さんは、東京五輪などが今後も続くため「莫大なお金がかかる」と指摘したうえで「(行政も)きちんと運営できるようせめぎ合っている最中だと思う。他人事ではないので、僕らで協力できることがあれば、一緒に考えていきたい」と、イベント開催時に協力していく考えを示した。