4月21日の彦根市議選で当選した新人10人らを加えた新たな会派構成が6日までに判明。6期目の谷口典隆議員と保守系の新人5人が公政会に入り、現職6人を含め市議会の過半数の12人となった。大久保貴市長に厳しい立場をとる谷口議員の入会で、市議会と現市政の対立構図がより深くなるのは必至だ(次号で各会派のメンバーと役員を掲載予定)。
新人議員で公政会入りしたのは、伊藤容子、小川隆史、黒澤茂樹、森野克彦、林俊幸の各議員。谷口議員は本紙の取材に「現市政に対峙するにはまとまった組織に入る方が良いと判断した」と話した。谷口議員の入会は今後、2年以内の市長選や4年後に予定されている県議選の出馬に向け、自民党系の組織固めの布石との見方もできる。公政会は再選した現職を含め、改選前の8人から4人増となり市議会での影響力がより強くなる。
一方で、市長与党の夢みらいには新人の小川吉則、森田充の各議員が入会。現職2人と含め4人となったが、改選前の6人から減らし、その影響力がより薄まった。
※解説=谷口議員の公政会への入会(復帰)が持つ意味は重く、最も嫌がっているのは大久保市長に違いない。
なぜ、その意味が重く、大久保市長が嫌がるのか―。まず、改選前は公政会および市議会のオーガナイザー的な存在だった西川正義氏がいたが、西川氏の引退で改選後のまとめ役の不在を危惧する声は市議会内でもあった。そういう見方からすると、市議会のキーマンの一人である谷口議員の公政会入りが持つ意味は大きい。
また、小生がこれまでの議会を見て判断するに、大久保市長が現市議会で特に嫌がっているのは獅山向洋、谷口の両議員である。市長が両議員を嫌がる理由としては舌鋒鋭い指摘はもちろんだが、両議員が大久保市長を優に上回る首長としての資質を備えていることである。
そして、改選前の公政会には大久保市長を支持する議員が一人いたが、谷口議員の入会で、より反大久保色が強まるのは間違いない。市長を支持する夢みらいの議員は4人に減り、残り20人が厳しい立場だ。更に「死に体」が続いている現市政が生き返る見込みはない現状からも、大久保市長の残り2年の任期は保たないと考えているのは小生だけではなかろう。【山田貴之】
先の市議選で当選した新人議員10人への議員章のはい用式が7日、市役所本庁舎5階の議会応接室であり、議会事務局の職員から議員一人ずつに議員章が付けられた=写真。