4月7日投票の滋賀県議選は中盤戦に入った。彦根犬上地区(定数4)に出馬している7人は、街頭や個人演説会などで県政に関する考えを訴えている。
現職で自民公認の細江正人氏(72)=本町2=は保守票や市議時代からの知名度を生かして、組織票を幅広く固めている。「県議の務めとしては国が法律で決めた政策を市町に回す場合、調整する働きがある」「会派に所属しているが、是々非々で判断することをモットーに務めており、市民の皆さんの幅広い声を県政に届けていきたい」。
新人で自民推薦の小菅雅至氏(51)=野田山=は街宣カーを使わず、折りたたみ式の自転車で遊説。「世界、日本は変化しており、古い伝統文化を守りながら、新しい時代をつくる必要がある」「インフラ整備、学力向上、観光客増、どれをとっても彦根は発展しておらず、県の立場から大きな視点に立って仕事がしたい」。
元職で立憲民主公認の江畑矢八郎氏(64)=八坂=は、国民民主、社民、チームしが、連合滋賀の推薦を得て、自公政権の国政批判と福祉政策に重きを置いた選挙戦を展開。「保育士不足や待機児童への対策が進んでおらず、将来の子どもたちにとって大変厳しい状況にある」「環境、人権、子育て・教育の問題を県として整備する必要がある」。
現職で自民推薦の大野和三郎氏(63)=豊郷=は建設業や犬上の保守票、部落解放同盟などから支持を獲得。「滋賀国体を契機に、道路などのインフラ整備を進めて観光促進と企業誘致を図り、自立できる湖東をつくる」「六次産業をしっかり育てることで新たな雇用が生まれる。地域経済の発展は子育て支援などソフト面に回すこともできる」。
新人で共産公認の今村恵美子氏(64)=豊郷=は、自公政権の国政と三日月大造知事の県政に対し「大型のハコモノを進めて良いのか」と指摘。「滋賀国体に合わせて大型の公共事業が行われようとしており、県民の税金の無駄づかい」「中学校までの医療費無償化、国保料や介護保険料の抑制など、県民の暮らしを守る必要がある」。
現職でチームしがの中沢啓子氏(60)=中央=は、嘉田由紀子前知事と三日月知事の政策や主張を支持ながら、5期の間に行ってきた実績もPR。「子どもの笑顔があふれ、誰もが住み慣れた地域で最後まで自分らしく暮らせる滋賀にする」「女性の視点に立って女性が活躍できる場を増やし、人に優しい滋賀にしたい」。
新人で自民推薦の奥野嘉己氏(60)=彦富=は稲枝地域を重点的に回っており、市中南部の一部の保守層の支援も得ている。彦根市の政策が北部中心、滋賀県が南部中心だと位置づけ「2つの南北問題の改善に向けて県の立場で取り組んでいきたい」「財政が悪化する中で健全経営に軸足を置いた行政の監査役を果たしていきたい」。