彦根市平田町の老舗和菓子店・中嶋庵を舞台にした映画「手のひらに込めて」の中村みのり監督(22)や同店店主の中嶋信夫さん(57)、出演者ら計14人が21日、大久保貴市長を表敬訪問した。
東大阪や名古屋などで「ご当地アイドル」の育成をしている株式会社SAKURA entertainment(東大阪市)の映画制作部門iroha filmが企画。プロデューサーの福本裕介さん(44)の姉が中嶋さんの妻というつながりもあり、同店を舞台に8月末から撮影が行われている。
中嶋さんは昨年6月に病で倒れ、市内の病院でリハビリをしてきた。映画は、母を亡くして父親と三姉妹が店を守ってきたある日、父親が倒れたことで経営難となって閉店を決意するが、次女が一人で菓子作りをし続けるというストーリー。父親が倒れたことなど一部が実話。
中村監督は「お店の危機に直面しぶつかりながら成長していく親子の姿と、後継者不足で閉店を余儀なくされている和菓子業界の現状をテーマにした作品です」と話していた。
表敬訪問には実際に映画で作られる和菓子を持参し、市長に手渡した。中嶋さんは「この映画を見た人が少しでもお店に足を運んでくれたらうれしい」と話していた。
撮影は10月上旬まで行われ、来年2月から東京、名古屋、関西のミニシアター系の映画館で上映される。彦根市内でも上映会を予定している。