22日から翌日にかけての台風21号の影響で、彦根城天守の多門櫓の漆喰(しっくい)壁がはがれているのが23日朝わかった。玄宮園からもはがれた様子がわかり、早急な改修が必要だ。
天守の多門櫓は天守の整備後に増築された。壁は平成5年から同8年までに行われた大修理で塗り替えられた。漆喰がはがれた場所は現在、出入り口として使っている多門櫓の玄宮園側の壁の高さ約3。7㍍×幅16・6㍍分。漆喰がはがれた側の天守は玄宮園内の武蔵野(広場)から一望できる絶好のロケーションとして、時代劇や映画、ドラマでも頻繁に登場している。
市教委文化財課は「場所が場所だけにそのままにはしておけない。文化庁や県と相談しながら、修理したい」としている。
台風21号ではほかに、彦根市内の芹川の一部ではん濫危険水位を超えたため、22日午後9時50分に、芹川沿岸の城東小や城西小、佐和山小などの学区を対象に避難指示(緊急)が発令。また23日午前0時15分には土砂災害警戒区域などを対象にした避難指示(緊急)が発令された。発令を受けて、指定の緊急避難場所も各小学校など15カ所に開設され、58世帯122人が避難した。
鳥居本町の国道8号線では22日午後10時半ごろ、約100㍍にわたって深さ約30㌢㍍冠水し、古沢交差点から北側方面で迂回措置がとられた。迂回措置は23日午前2時5分に解除された。