彦根市が稲部遺跡を保存し、道路計画を見直すことを決めたことに対して、21日に稲枝地区公民館で開かれた議会報告会では稲部遺跡のある稲枝駅西口の早期開発を求める住民たちが道路計画の見直しに反対姿勢を見せた=写真。
議会報告会の中で、住民からは「稲部遺跡を観光地化にした場合、はたして集客力はあるのか」「遺跡を犠牲にして、道路など開発を進めるべきだ」「稲枝の自治会から決議書をまとめ、市へ早期開発を求める要望書を出したが、答えは稲枝地区をバカにした内容だった」などの声があがった。
また稲部遺跡に関する質問以外では「市の政策は彦根城をはじめとした市街地ばかりで、稲枝は地盤沈下が進んでいる」など稲枝地区の開発を求める意見も数人から出された。議会報告会に参加した市議からは「稲部遺跡の保存を決めた市の方針を変えるのは難しい」とした上で、住民の声を市に伝えると答えた。
議会報告会は市議会が平成26年4月から開催しており、21回目の今回は市民産業建設常任委員会の市議8人が参加し、市民39人が来場。議会事務局によると、1会場での来場者は最多だという。