高齢者世帯などの見守り活動を進めていくため、彦根市社会福祉協議会と滋賀中央信用金庫は「地域見守り合い活動に関する協定」を締結。協定締結に伴い、滋賀中信は地域住民の送迎用車両を1台贈呈し、7日に市福祉センター別館で締結式と贈呈式が開かれた。社協と金融機関の協定締結は県内初。
少子高齢化が進む中で、孤立死や振り込め詐欺、虐待などの被害者になる高齢者や子どもが増えていることから、未然に防止するため一人暮らしの高齢者世帯などへの見守りが必要な状況になっている。滋賀中信には市内10店に25人の営業職員がおり、高齢者世帯などに訪問する機会がある。協定の締結で、市社協は▽郵便物や新聞が溜まっていないか▽子どもが1人で外にいる機会が多くないかなどのチェックリストを作成し、滋賀中信はそのチェックリストに基づいて高齢者世帯で異変を感じた際には市社協などに連絡する。
締結式で滋賀中信の沼尾護理事長(64)は「見守り合い活動が市内全体に広がっていき、安心安全のまちをつくっていきたい」、市社協の圓城治男会長は「市内でも孤立死が20件ほどあるほか、子どもの貧困も問題になっている。課題の解決に向けて一歩を踏み出せたことを心強く感じている」とあいさつした。
滋賀中信から寄贈された車両はトヨタのノアで、自動で乗り降りができるサイドリフトアップシートが装着された7人乗り。市社協の活動理念「おたがいさんの心でつくる温かいまち彦根」から「おたがいさんさん号」と命名された。地域住民がサロン、宅老所、子ども食堂などに送迎する際や、市社協の職員が施設訪問、人・荷物搬送などの時に利用されるほか、将来的にはボランティアが高齢者らを送迎する際にも使用していくという。
見守り合いサポーター養成講座
彦根市社協は22日と26日の午後1時半~平田町の市福祉センター別館で「見守り合いサポーター」養成講座を開く。龍谷大学社会学部の岡野英一特任教授が高齢者世帯などを見守るための基礎知識を教える。2日とも同じ講座。対象は市内在住在勤在学者。受講者には訪問時に使えるネームプレートを進呈。申し込みは市社協☎(22)2821。