天皇陛下の誕生日の23日は今年最後の祝日だったが、国旗を掲揚していた家庭はほとんどなかった。次の祝日になる新年の元日には掲揚する家庭が増えることを願い、元日や祝日、国旗について簡単に説明する。
元日といえば、「年の始めの例(ためし)とて」で始まる唱歌「一月一日」が有名で、一般的に日本では太陽暦(新暦)を使い始めた明治元年以降、「年の始め」として元日を指す。昭和23年7月に成立した祝日法では「年のはじめを祝う」と記され、元日は祝日になっている。
また明治元年には「日の丸」が国旗として内外に公表され、明治6年の元日ごろから祝日などには各家庭に国旗を掲揚する風習が広まった。戦後の数年間は連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の占領下により掲揚が抑制されたが、祝日法の制定に伴って緩和され、昭和27年4月28日のサンフランシスコ平和条約の発効により、「祝日の国旗掲揚」が固定化していった。
しかし国旗や国歌に対して、戦後から現在にかけて式典などでの掲揚や斉唱に反発する者が一部におり、それらに影響されてか、祝日に国旗を掲揚する家庭も少なくなっている。海の日や山の日ならまだしも、国民全体で祝うべき建国記念日や天皇陛下の誕生日などでも掲揚しなくなったのは極めて残念だ。住宅業界の知人によると、新築住宅では掲揚するための場所も設置しないのが大半だという。
来年こそ、祝日には国旗を掲揚している家庭が少しでも増えることを願いながら、年の瀬のあいさつにしたい。それでは皆さま、よいお年をお迎えください・・・。
【山田貴之】