25日午前9時50分ごろ、彦根市尾末町の市弓道場北側の遊歩道で、イノシシに市民や観光客ら男性4人が襲われて重軽傷を負った。イノシシは全長140㌢、推定体重100㌔㌘で、午前11時34分に現場から約500㍍東の川にいたところを猟友会の会員によって射殺された。市によると、イノシシによる人的被害は確認できるここ20年以内では初めてだという=写真は彦根署提供。
彦根署によると、イノシシは背後から突進し、かみつくなどして、市内の男性(78)が左手薬指を壊死する重傷を負い、市内の男性(54)と岐阜県の男性(38)、愛知県の男性(74)が軽傷を負った。
110番通報を受け、署員ら約30人が捜索し、船町の猿ケ瀬川にいるのを発見。彦根署は付近の約50戸に外出しないよう呼びかけ、猟友会に射殺を要請した。
彦根署によると、この日午前9時半過ぎから長曽根や松原でもイノシシの目撃情報があり、同じ個体だという。琵琶湖から泳いで来たとみられる。
※(解説)=市内の市街地にイノシシが現れ、人的被害まで出るという大惨事に至った。これまで荒神山などで農作物がイノシシによって被害にあっているが、市街地ではイノシシの出現さえ近年報告されていない。
現場は市立図書館の裏手で、金亀公園に近い上、釣りをしに訪れる人も多く、被害にあった男性のうち1人は釣りをしている最中だったという。
市の担当者によると、イノシシは自分より大きい存在に対しては逃げる習性があり、今回は突然出くわしたため、防衛本能から必死の覚悟で攻撃したのだという。被害にあわない対策として「イノシシを発見しても、決して興味本位で近づかず、その場から離れることが大切だ」としている。